○エッセイ〜夢の話編


2000年12月05日(火) 『人間の作ったものは』

声「人間の作ったものは全部、神様の創ったものをマネしてるんだ。
ランプは太陽を、飛行機は鳥を・・・」
私「その話、前に聞いたことがある。」
声「それじゃ、パソコンのネットワークは?」
私「え?」
声「自然の中にも、ネットワークと同じようにみんなが繋がりあえる世界があるんだ。
・・っていうより、人間がそれをマネしてネットワークを作ったんだけどね。」
私「何をマネしたの?」
声「・・・夢」
私「でも、夢って・・・」
声「夢は一人で見るものじゃないよ。夢の世界ではみんなが繋がっていて
パソコンのチャットみたいに会話することが出来るんだ。
みんな起きたときに忘れちゃってるみたいだけどね。」
私「夢って全部自分で作り上げているものだと思ってた。」
声「そういう夢もある。喫茶店に入っても一人で考え事してたら誰とも対話できないし・・
ただ、ちょっと顔を上げてあたりを見渡したら対話できる誰かがすぐに見つかるはずだよ。」
私「同じ時間に眠っている人同士で?」
声「それだけじゃなくて、起きている人に意志を伝えることもできる。
『虫の知らせ』ってそういうことだよ。あと、死んだ人とも人間以外の存在とも対話は可能だよ。」
私「・・・なんか、信じられないな・・」
声「昔の人は、ちゃんとそれを体感して、使いこなしていたんだ。
でもだんだんみんなの夢を見る能力が退化してしまったんだ。」
私「それで自分たちで、似たようなものを作った?」
声「そう。今人間がネットやってることは全部、ずっと前から夢で出来てることなんだ。
例えばホームページみたいに、夢の世界に知識を蓄えることもできる。
だから夢を見るってこととネットサーフィンって、ちょっと似てるんだ。」
私「サーバーとかハードディスクとかは?」
声「木」
私「え?」
声「知識は全て、木に蓄えられるんだ。そして木が根を張って世界中をつなげている。
どんな動物よりも木が長生きなのは、そういうことなんだ。」
私「それが木の役割?」
声「そう。・・・ところでさ、気がついたことない?」
私「え?」
声「人が夢を見る能力を失った時の話・・・あれは形を変えて今も伝わってるよ。」
私「・・・聖書?」
声「そう。人は楽園を追放されたから、それと似た世界を自分たちで作り上げようとしているんだ。」
私「ネットワークは楽園になれるかな?」
声「同じものにはならないよ。だってマネだもん。」
私「・・・・・・・・・・・・・」

・・・と言う夢を見た。



2001年1月14日(日)『平和台霊園』

実家に帰るバスに乗っている。
前の席には知らない男が乗っていて、しきりに私に話し掛けている。

男「・・って言って殺されちゃったんだ。
  どうせなら『I don't like monday』って言って欲しかったのにね。」
私「ブームタウン・ラッツですね。懐かしいなぁ・・」
男「ほんと。ずいぶん経っちゃったよね。」
私「ボーカルの人、クリスマスのチャリティー曲やってましたよね。たしか、ボブ・ゲルドフ?」
男「おっ! 詳しいね。」
私「いや。そう言う世代なだけですよ。」

そんな話をしながらバス停に着く。
実家の隣は親戚である「白土さん」の家。
しかしその家がお店になっていた。
中に入ると、いとこの京太郎君がいる。

私 「お店始めたの?」
京太郎君「脱サラしてブリキのオモチャの店、始めたんです。」
奥の方にあるオモチャを見ていると是清おじさんが
おじさん「そっちにあるオモチャは10年物だから気を付けてね。 値段も10万円はするよ。」
そこでハッと気付く。
是清おじさんって、とっくに亡くなっていたはずだ。

私 「ねぇ、京太君。このお店に是清おじさんがいるよ。
にこにこ笑いながらみんなのこと見てて
私に『奥にあるオモチャは高いから気を付けろ』って教えてくれたよ。
おじさんが見守ってるんだから、このお店、大丈夫だよ。」
京太郎君「うん。」

・・・と言うところで目が覚めた。
実家に戻るときに乗るバスには『平和台霊園行き』と書いてある。
子供の頃の私は、このバスの名前が嫌いだった。なんだか縁起悪い感じがしたのだ。
でも、こうして懐かしい人に会えて・・・
嫌いだった名前が、ちょっとだけ好きになれた。



2001年4月15日(日)『夢の伴侶』

会社の後輩、A君が結婚する!
相手は何と18歳! いいとこのお嬢さんですごい美人らしい。
出会ったきっかけはスキーツアーで、その女性のほうから
「コーヒー、お飲みになりますか?」と声をかけてきたのだそうだ。
既に向こうの両親にも会っていて、秋には挙式の予定らしい。

「結婚するまで、純愛を貫きますよ!」
と、A君は聞きもしないのに純愛宣言をしていた。
周囲にいた会社のみんなも祝福していた。

・・・と言うところで目がさめた。
ここまできちんと覚えている夢って久しぶりだ。
正夢になるかもしれないので、A君にはぜひスキーツアーに行ってもらいたい。
<追記>
後日わかったのですが、この時A君には本当に結婚を考えている彼女がいて
この日記を見て、かなり驚いたらしいです。



2001年8月29日(水)『味付きの夢』

夢の中、知らない女性からチョコレートを貰った。
ケーキ屋さんで売っているような、高級そうなチョコレートだ。
一口食べてみる。・・ミント系の爽やかな味がした。
「すごい! 夢に味ってあるんだ!」
と、夢の中の私が感心している。
「このチョコのお金、払ってくれる?」
夢の中の女性が聞くので
「うん。わかった! で、いくらなの?」
「結構高いよ」

そう言われた後に目が覚めた。
せっかくなので、『ぐっちゃんの夢占い』でこの夢を占ってみる。
ここは上のような夢の内容を入力すると、文章を自動的に判断して
占ってくれるサイトだ。結果は以下の通り・・

あなたの夢は、エネルギーの充実と健康をさしています。
体中にパワーがみなぎります。
少々の無理をしても大丈夫だから、自分から積極的に行動してみましょう。
興味のあることで、新しいことを始めるとあなたの幅が広がります。
いろいろなことにチャレンジしてみてください

良さそうな結果が出て嬉しかったが
私が本当に知りたいのは、チョコレートの代金がいくらで
それをどうやって払うのかだったりする。



2001年10月08日(月)『戦争』

昨夜アフガニスタンで、アメリカ軍の空爆が始まった。
これが、あのテロ事件に対する報復になるのだろうか?
この空爆で何人ぐらいの命が奪われるのだろうか?
そして、さらなる報復テロの危険性はないのだろうか?

TVの臨時ニュースを付けながら眠ってしまったせいか戦争の夢を見た。
映画みたいにリアルな夢だった。

屋根の上で少年が万年筆を見つけた。
太陽の光にきらきらと輝く高級な万年筆。
軸の部分には敵の国の言葉で何か書かれている。

少年は司令官の息子だった。
彼はこの万年筆をお父さんに見せなければいけないと思い本部へと走った。
・・その時、敵の攻撃が始まった。
たくさんの兵士達が家を焼き、逃げまどう人々を殺していった。
少年は必死の思いで走り、ようやく本部へ辿り着いた。

しかし本部には誰もいなかった。
無人の本部は敵の攻撃にさらされ、次々と破壊されてゆく。
最新型の兵器たちが一度も使われることのないまま燃え尽きてゆく。
ようやく司令官が戻った時、本部は既に焼け落ちていた。
悲嘆にくれる司令官。その時、物陰から少年が出てくる。
親子は抱き合ってお互いの無事を喜んだ。

しばらくして、少年は父親である司令官にあの万年筆を見せる。
司令官は驚きの声を上げた。これは敵の指導者が調印式で使ったものだと言う。
これが敵に反撃する一縷の望みになるかもしれない。
そう思い、万年筆のキャップを開ける司令官。
すると・・・

「ぷしゅ!!」
万年筆から白い霧が吹き出した。
最初に少年が・・続いて司令官が倒れ込む。
万年筆には毒ガスが仕込まれていたのだった。

・・・と言うところで目が覚めた。
なんだかやるせない気持ちになった。






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