○エッセイ〜TV・芸能編


2000年9月22日(金)『21世紀音頭』

♪これから〜31年たーてば〜 ♪この世は21世紀
♪火星や金星遠くの星に 旅行に出かけているかしら?

♪ちゃん・ちゃら ♪ちゃん・ちゃら ♪ちゃんちゃら・らららら
♪ちゃんちゃら・らららら・ら〜

♪にーじゅーいっせいき〜の ♪夜明けはちか〜い〜

水前寺清子が歌った21世紀音頭の歌詞である。
子供の頃ちょっと聞いただけなのに未だに強く印象に残っている。
(さすがに歌詞の細かい部分に関しては記憶が曖昧なため適当に書いているが・・)

しかし約30年前に想像されていた21世紀と現在とではだいぶギャップがある。
我々は未だに「火星や金星に旅行に出かけて」はいないし
21世紀が目前に迫っても「♪ちゃんちゃら・らららら」という気分ではない。

この部分以外の歌詞にも、いろいろとギャップがありそうで興味深いのだが
残念ながらこれしか覚えていない。
カラオケに行くたびにこの曲を探しているのだがまだ見つかっていない。
・・・誰か覚えている人はいるだろうか?
<追記>
その後調べてみたところ、水前寺清子ではなく相良直美のようです。



2000年8月25日(金)『北の国から』

先週末、帰省の帰り道に富良野と美瑛を回ってみた。
富良野にある麓郷の里はテレビドラマ「北の国から」の世界が
そっくりそのまま保存されている。主人公達が住んだ丸太小屋
石の家、熊と出会った場所、入った温泉・・・
いろいろな場所に様々な立て看板が立ち、ドラマ内のエピソードを説明している。
きっとすごい経済効果なのだろう。

ただちょっと閉口したのはテーマソング。
さだまさしの歌う「♪るーるーるるるるー」というあれである。
良い曲だとは思うがいろんな場所でかかりすぎている。
おみやげ屋、喫茶店、写真館・・・こういう場所で働いている人は1日中ずっと
「♪るーるーるるるるー」をきいているのだろう。それが何年も続くのだ。
・・・精神を破壊されないのだろうか?

ちなみにこの曲、カラオケにも入っていた。
一回歌ってみたのだが最初のウチは歌詞のないシュールさにちょっと盛り上がる。
しかし次第に周囲のテンションがどんどん落ちてゆき、その後マイクを握りながら
一人ぽつんとハミングともスキャットとも付かない歌を歌っている自分に気付く。
その間、テレビ画面は「Mm・・・Mmmmm・・・Lalalalalalala」
としか表示されない。妙に寂しい。

・・・この曲、さだまさしは作詞印税をもらっているのだろうか?



2000年10月12日(木)『タイアップ』

昔、「太陽にほえろ」で、もの凄く露骨なタイアップを見た記憶がある。

<その1>
行きつけのバーでくつろいでいるボス(石原裕次郎)
バーのママが「こんなところでサボっててもいいの?」と聞く。
するとボスが「今は便利なものがあるのさ・・」と言う。
場面切り替わり七曲署。無人のデスクに電話が鳴る。
その直後、ボスのいるバーの電話が鳴る。
ボス「あ・・オレだ。よし。わかった。」
ボスが電話を切るとバーの女の子が二人、声を揃えて言う
「さすが! 転送電話のチェスコム!」

<その2>
七曲署にいきなりマクドナルドの店員がやってきて
「ただ今マクドナルドでは宅配サービスをしております」
それを聞いた山さん「ほう・・便利になったもんだな・・」

<その3>
追いつめられた犯人がオートバックスに逃げ込む。刑事たちが口々に
「あそこだ! オートバックスだ!」
「よし! オートバックスだな!」

当時子供だった私ですら「何だかなぁ・・」と思ったのだが
その頃の石原プロ・・お金がなかったのだろうか?



2000年10月17日(火)『クリスタルな県政』

作家の田中康夫氏が長野県知事選に当選して「クリスタルな県政」を目指すそうだ。
・・・ものすごくわかりやすい表現だ。
これが村上龍氏だったら「限りなく透明に近い県政」を目指すのだろうか?

田中氏に限らず、こういう一度付いたイメージなりキャッチフレーズはなかなか消えない。
例えば田川陽介が結婚したら「ルイルイ挙式」離婚したら「涙涙(るいるい)離婚」
家を建てたら「ルイルイ御殿」と言われる。
城ミチルだったら必ず「イルカになった少年」を引き合いに出される。
本人たちの思惑に関係なく、それこそ古典の授業で習った枕詞のように簡単に決めつける。
松本伊代は何年経っても「16だから」と言われ、伊藤つかさはおばさんになっても「少女人形」なのだ。

田中氏が「なんとなくクリスタル」を書いたのは学生時代・・
それこそ20年近く前のことなわけで、未だにそのイメージで語るのはどうなのだろう?

そう言えば昔、柴田恭平が「なんとなくクリスタル」という歌を歌っていた。
CMソングにもなったので覚えている人がいるかもしれない。
田中氏が作詞、近田春夫氏が作曲している。

♪アーバンDayは Gloomy
♪ちょっと小粋なBarがいい

♪なんとなーくー クリスタール
♪なんとなーくー クリスタール
♪それが今の 気分だからーー
(*歌詞の記憶は曖昧です。)

先日、カラオケに入っていたので歌ってみたのだが
原作の都会的な雰囲気(?)とはほど遠い、お笑いに近い泥臭さを持った曲だった。



2000年11月03日(金)『なぜ3』

なぜ水前寺清子は「チータ」なのだろうか?
ふと疑問に思った。こういうときインターネットは便利だ。
昔だったら知ってそうな人・・例えば実家の親に電話して

「あ・・豊です。ご無沙汰してます。
ところで・・・水前寺清子はなぜチータって言うんですか?」

と、かなり唐突な質問をしなければならない。
ひょっとしたら、なぜそんなことを知りたくなったのかを
逆に質問されるかもしれない。そうなったら

「いや・・動物占いを調べてて、そしたら水前寺清子がチーターらしいと・・
それだったらアニマル梯団のコアラはコアラなのかとか・・
そもそもなぜ水前寺清子がチータなのかとか・・ひょっとして足が速いのかとか・・
そんなことが色々気になってしまって・・」

と、私と水前寺清子についての話を延々と説明しなければならないハメになる。
そしてさんざん説明した挙げ句、「知らない」と言われたら・・・
きっとものすごく損をした気分になるはずだ。

で・・ネットで調べたら一発だった。
本名が「民子」で、小さかったため「小さな民子」の略で「チータ」なのだそうだ。
動物のチーターとは全く関係ないようだ。
・・・わかってしまうと案外面白くない。

あと関係ないがレベッカのNOKKOは本名ヤマダノブコだ。
NOKKOと言うとロックっぽい気がするがヤマダノブコは全然ロックっぽくない。
あと、元X−JAPANのTOSHIの本名:出山利三もロックっぽくない。

ここでふとまた疑問が・・・
藤村俊二はなぜ「おひょいさん」なのだろうか?
調べよう・・・と思ったが他にも「ファンファン」とか「シンシア」とか
色々浮かんできてしまい、キリがないのでやめた。



2000年11月07日(火)『函館カニ食べ放題殺人事件』

普段あまりテレビドラマを見ないのだが今日は久々にものすごいものを見てしまった。
アドベンチャー探偵の事件簿『函館カニ食べ放題殺人事件』だ。

失恋の傷を癒すため函館カニ食べ放題ツアーに参加した警察庁科学犯罪捜査官・薫
(芳本美代子)が海を見ながら佇んでいると(この時点で既に変)、突然海中から
「ぬばぬばぬばぁ!」っと大男がはい上がってくる。
彼こそ冒険家にして名探偵(自分で言っている)の越智健太郎(赤井英和)
通称アドベンチャー探偵なのである。

彼は丁度、津軽海峡を泳いで渡る冒険に成功した(!?)ところだったのだ。
しかし薫は健太郎を密入国者と間違え警察に通報。
すぐに現れた警官たちがジュラルミンの盾を持ち健太郎ともみ合う。
・・・と、序盤からものすごいハイテンションのドラマだった。

その後も推理というよりも「熱い体当たり」という感じで事件を解決してゆくのだが
そのオチがすごかった。(以下、ネタばれになるため見たい方は反転表示して下さい。)

半島の突き当たりに立つ別荘で殺人事件が起こる。
門には高圧電流が流れる鉄条網と指紋照合ロックによる完璧なセキュリティシステム。
そして背後には断崖絶壁・・という完全な密室での犯行。
しかしアドベンチャー探偵は海を泳ぎ、断崖絶壁をよじ登って別荘まで辿り着く。
「そんなこと出来るのあんただけよ!」と薫が突っ込むが実は犯人は大学時代
ロッククライミングのサークルに入っていて、しかも水泳も得意だったのだ。

その他にも殺され役の人は序盤からキャラ立ちまくりだし
後に死因となる薬のカプセルはこれ見よがしにアップになっているし・・と
伏線が伏線という感じでベタに目立っていたのが素晴らしかった。

台詞回しや演出も漫画のようにオーバーで
赤井英和という役者の個性を10倍ぐらいデフォルメした感じだった。
このドラマを「10回も見た」(はなまるマーケットで本人談)赤井英和は
よっぽど自分のことが好きなんだと思う。
私は一回見ただけで頭がくらくらした。

アドベンチャー探偵の事件簿・・・
シリーズものらしいので次回も是非見てみたい。



2000年11月08日(水)『iモードと契約してるんで・・』

NTTドコモの「iモードと契約してるんで・・」というCMは
実はエスカレート式のギャグなのではないかと想像してみた。
このCM、北海道地区限定らしいので
見たことがない人のためにこれまでの内容を説明すると

【その1・展示編】
写真撮影のスタジオで様々なポーズをとる安西ひろこ。
口紅の付いたiモード端末のアップ。
安西「そのiモード 展示します!」
たくさんの芸能レポーターとカメラマンに取り囲まれた安西ひろこ。
フラッシュを浴びている。
ガラスケースに入って展示されている口紅付きiモード端末
レポーター「キスマーク付きとはサービスしすぎじゃないですか?」
安西「iモードと契約してるんで・・」
にっこり笑う安西ひろこ。

【その2・メール編】
自室? でくつろぐ安西ひろこ。
安西「ひろにメール下さい。一番感動した人に・・・」
キス顔の安西ひろこ
画面にメールアドレスらしき文字が出る
安西「・・・あげちゃいます」
記者会見の席。
マネージャーらしき人が安西ひろこに耳打ちする
マネージャー「ひろ・・大丈夫?」
安西ひろこも小声で
安西「iモードと契約してるんで・・」

「iモードと契約してるんで・・」という言葉をキーワードに
安西ひろこにかかる負荷がどんどん高まっている。
この調子で行くと、以下のようになるかもしれない

【その3・バンジー編(予想)】
崖の上に立つ安西ひろこ。
周囲にはたくさんの芸能レポーター。
レポーター「バンジージャンプとはサービスしすぎじゃないですか?」
顔面蒼白の安西ひろこ。足がガタガタ震えている。
マネージャー「ひろ・・大丈夫?」
安西「・・・あ・・・iモードと・・・」
安西ひろこ 意を決して飛び降りる。
安西「契約してるんでぇ!!!!!」
絶叫しながら猛スピードで降下。
途中で画面がストップモーション。
そのままカメラが回り込んで安西ひろこの顔アップ。
恐怖に歪んで、ものすごい表情になっている。

【その4・マジック編(予想)】
マジックショーのステージに立つ安西ひろこ。
割れんばかりの拍手。
ドラムロールが鳴り響くと安西ひろこは小さな箱の中に入る。
そこにマジシャンが現れ、箱に次々と剣を刺してゆく。
やがてぼんと煙が上がり、箱から出てくる安西ひろこ。
しかし彼女の身体のあちこちには剣が刺さっている。
あたりはしんと静まりかえる。
マネージャー「ひろ・・大丈夫?」
安西「・・・あ・・・iモードと・・・」
安西ひろこ ぶはっと鮮血を吐く。
安西「契約・・してるん・・で・・」
ガクッと倒れる安西ひろこ。

【その5・再契約編(予想)】
喪服を着て墓参りをしている安西ひろこの妹(二役)
妹「・・・お姉ちゃん・・・どうして・・」
手を合わせる妹の横顔。閉じた瞳から涙がこぼれる。
妹「・・・どうして・・死んじゃったの・・」
カメラが背後からの視点に切り替わる。
ひろこの墓石はiモード端末の形をしていた。
そこに現れた黒服の男二人組。妹の両腕を掴んで
黒服A「・・・妹さんですね?」
妹「・・・や・・やめて!!」
黒服B「我々と・・契約してもらいます!」
黒服A「さぁ! こっちへ来い!!」
妹「ぎゃーーーーーーーーーーーー!!!」
遠景のまま妹の悲鳴。

という感じでその1・展示編に戻り無限ループする・・・
こんなCMだったらいいなと思った。



2000年11月10日(金)『KDDI』

ちょっと前に聞いたKDDIのラジオCMが面白かった。
知っている人が少ないようなので思い出しながら書いてみる。

男A 「なぁ・・この店のラーメン、うまいと思うか?」
男B 「(ラーメンをすすりながら)そんなこと・・考えてもみなかったな・・
だってこの村には1軒しかラーメン屋がないし・・」
男A 「それが出来たんだよ! すぐ近くに!
この店ほど広くはないけどさ、みそ味とか醤油味のラーメンを出すんだって・・」
男B 「えー! ラーメンって普通おでん味とか牛乳味じゃないのか?」
男A 「今度の店は違うんだよ!
オレ思うんだけどさ、新しい店のラーメン、絶対にうまいぜ!
だって二番手だろ? 二番手ってのはトップに負けないように
いっつも努力してるもんだ!」
男B 「なんか食いたくなってきたな・・そのラーメン!」
男A 「よし! 今から行ってみようぜ!」

確かこんな感じのCMだった。
テレビ版も面白いけどラジオ版も結構充実しているようだ。



2000年11月15日(水)『大河ドラマ』

大河ドラマは主人公の成長に合わせて子役から有名俳優へと配役が切り替わることが多い。
この切り替わりシーンをいかに違和感無く表現できるかが脚本家や演出家の腕の見せ所
なのではないかと思う。

今までで一番印象的だったのはジェームス三木氏が脚本を担当した「八代将軍吉宗」だ。
ある日、吉宗(子役)が疱瘡にかかってしまいその治療のため顔が包帯でぐるぐる巻きになってしまう。
やがてその病気が完治したと言うことで家来の前で医者が包帯をほどく。
固唾を飲んで見守る家来たち・・ゆっくりと包帯がほどけると、そこには何と!

・・可愛らしかった子役の顔は西田敏行に変化していたのだった。
それでも何事もなかったかのように「おお! 治った!」と喜んでいる家来たち・・
疱瘡は治ったかもしれないが別の病気・・というか呪いにかかってはいないか?
それ以降、何の説明もなく西田敏行=吉宗としてドラマが進んでゆく。
みんな少しは疑問に思ったらどうだろう?

・・・いや、ひょっとしたら疱瘡という病気はそもそもそういうものなのかもしれない。
治っても完全には完治せず、後遺症として微妙に顔の線が崩れる。
(「微妙」というレベルではないが・・)
そういう意味を含めて、あの配役だったのかもしれない。
だとしたら恐ろしい病気だ。

ある朝、目が覚めたら、鼻が西田になっていて・・
驚いていると、見る間に目が敏行になってしまう。
やがて耳が池中に、体型は玄太になり・・
髪型はハマちゃんになってしまう。
頭の中は釣りバカになって「もしもピアノが弾けたなら」と願う。
だけどボクにはピアノがないのだ。(意味不明)

だんだんと西田敏行になる病・・
考えただけで背中に無数の小さな虫が這っているうような感覚に襲われるのは
私だけだろうか?

ジェームス三木氏と言えば、セガサターンの名作「ワン・チャイ・コネクション」も
脚本を手がけたと聞く。・・・いろんな意味ですごい人だ。



2000年11月22日(水)『次世代テレビ』

今日の読売新聞に書いてあったのだが東芝が次世代デジタル放送向けに
「あらかじめ指定しておいた不快な映像に対して自動的にぼかしやモザイクをかける機能」
付きのテレビを開発しているらしい。

放送されている映像信号をテレビ側が一瞬のうちに判断してすばやく画像処理を行う
という仕組みなのだそうだ。・・・なんだかすごい話だ。
指定できる映像項目は200程度あって、「昆虫の外見が嫌い」とか「女性の裸を見せたくない」などと
ユーザーが自由に指定できる。画像処理の内容もモザイクやぼかしだけではなく
「血の色だけをモノクロにする」というような設定も可能らしい。

私はこの「200程度のメニュー」の中に「熟女」を入れて欲しいのだがどうだろうか?
・・・最近はデヴィ夫人、その前はミッチーVSサッチー、さらに遡ると落合夫人や塩沢トキ
大屋政子などテレビは常に「熟女」を紹介している。需要があるから供給されているのだとは思うが
私個人としては勘弁して欲しいのでぜひモザイク指定したい。
出来れば音声もカットして欲しい。こういう映像は見ないように努力しているつもりでも
突然CMに登場したりするのでタチが悪いのだ。豊島園の「サッチーの水着CM」などは
今でも私のトラウマになっている。(これって豊島=年増のシャレだったのだろうか?)

ところでふと思ったのだが、テレビ側にこのような機能が付くと言うことは
放送だけではなくテレビゲームにも画像処理が加えられるのだろうか?
だとしたらゲームを作る側もちょっと考えなければならない。
ミロのビーナスのような彫刻像をゲームに登場させたら「裸NG」の設定のテレビでは
モザイクがかかってしまいお話が通じない・・・というような不都合が出てくるかもしれないのだ。
この新型テレビ・・実用化されるのは2005年とのことだ。



2001年1月19日(金)『人質』

金曜ロードショーで『エアフォース・ワン』を見る。
映画の中のアメリカ大統領はテロリスト相手に単身戦いを挑み、最後は墜落寸前のジェット機を操縦までしていた。
そう言えば『インディペンス・デイ』でも大統領は戦闘機に乗って宇宙人相手に戦っていた。
日本映画はどうなのだろう? 例えば森首相が『テロには屈しない!!』と叫びながら
銃を片手に派手なアクションを演じたり、戦闘服を着込んで感動的な演説をしたりと
そんな風に格好良く描かれている映画はあるのだろうか?

こう言う『テロもの』の映画を見るとき、つい気になってしまうのが人質の扱いだ。
例えば『ダイハード1』。人質を取ってビルに立てこもっている悪人グループと
ブルース・ウィルスとの戦いを見ていて、なぜ悪人のボスは人質を有効に使わないのだろう?と気になって仕方がなかった。
ブルース・ウィルスに仲間を次々と殺されているのに、ただ悔しがっているだけで
人質にはなんの危害も加えない。そう考えるとブルース・ウィルスがすごく無鉄砲な
ヤツに思えてしまって落ち着いて見ていられなかった。

『エアフォース・ワン』に出てくる悪人のボスはこれをやっていた。
隠れている大統領に対して機内放送を行い『10数えるうちに投降しないと
この女を殺すぞ!・・1、2、3・・・』とカウントを始める。
慌てる大統領。しかし結局彼女を見殺しにしてしまう。
・・・ストーリーの展開上、仕方ないのかもしれないが何となく後味が悪かった。

この手のお話で一番しっくりきたのは『ザ・ロック』だった。
この映画の中では悪人グループの中で、人質を盾に戦おうと主張する手下と
それだけは避けたいボスの意見が対立していて、それがさらにストーリーに絡んでいたので
うまく処理しているなと感心してしまった。



2001年1月21日(日)『ディズニー』

ミッキーマウスはぬいぐるみで、中に人間が入っている。
当たり前の話だが、この当たり前が今微妙な立場に追い込まれている。
女性週刊誌によると、とんねるずの石橋がTVでこのことを言ったため
世界中のディズニーランドから出入り禁止の処分を受けたらしい。

これは前にいた会社の上司から聞いた話だが、その人がディズニーの社員と
飲んでいるとき、彼に同様のことを聞いたところ「いえ!入っていません!」と
激しく否定したためさらに酒を飲ませた。しかし彼は泥酔しながらも
「入って・・ません」と譫言のように言い続けていたらしい。
・・・では聞きたい。あの中身はどうなっているのだ?

ロボットだとしたらその素晴らしい技術をテーマパークだけに使わずに
地雷除去などに役立てて欲しい。老人介護などに使うのも良い。
クローン技術によって生み出された新生物だとしたら大問題だ。
その技術が盗まれ、ミッキーマウスがそれこそねずみ算式に増えたら・・・
考えただけでも恐ろしい。

これも聞いた話だが前の会社でミッキーのゲームを作ったとき、
マニュアルに書かれていた『ミッキーマウスは世界的に有名なネズミです。』
と言う文章にディズニー側からクレームが入ったらしい。
ミッキーはネズミではないと言うのがその理由だ。
名前に『マウス』と書いてあるだろ! と突っ込みを入れたくもなるが
よく考えたら、グッチ裕三はブランド品ではないし、モンキーパンチは猿ではない。
以前、私はミッキーの家に犬小屋があるのを見て「ネズミのくせに犬を飼ってるのか!」
と憤りを感じたが、ネズミではないのなら仕方ない。
・・・では聞きたい。いったいヤツは何なのだ?

マニュアルだけではなくゲームの中身に関してもディズニー側からいろいろな
注文が入ったらしい。特に厳しいのは『残酷さ』に関してだ。
よくあるアクションゲームのように敵を『倒す』と言う表現もよくないらしい。
結局そのゲームはミッキーが消しゴムを投げて敵を消すゲームになったとのことだ。
・・・そっちの方が残酷なような気もする。

さらに不確かな情報だが『ドナルド・ダックの本当の作者』と言うディズニー話がある。
ドナルド・ダックの本当の作者はウォルト・ディズニーではなく、他の漫画家だったのだが
ディズニー側がそのキャラクターを買い取り『自分が生みの親であることを黙っていること』
を条件に一生遊んで暮らせるだけのお金を手渡したらしい。

成功している人は色々悪く言われるものなので
ここに書かれたことがどこまで本当なのかはわからないが
ファンタジーを守るためにはいろいろとリアルな努力が必要なことだけは確かなようだ。



2001年2月26日(月)『JAM』

私は芸能ネタに疎い。スピードも個々のメンバーを憶える前に解散してしまったし
モーニング娘。(ATOK14だとちゃんと最後の『。』まで変換するのだ。)なんて
憶える前にメンバーが抜けたり増えたりしている。
オリコンのチャートに、Do As Infinity/LOVE PSYCHEDELICO/JUDY AND MARY
/MY LITTLE LOVER/dream/EVERY LITTLE THING/Dream Come True・・・などと
書かれていると「どこの国のヒットチャートなんだ?」と不安に思ってしまう。

特にJUDY AND MARYには苦い思い出がある。
函館出身のプログラマS君と話をしていたとき

S君「JUDY AND MARYのボーカルも函館出身なんですよ。」
私「ふーん。そうなんだ。きっとMARYの方だよね。」
S君「・・・違いますって・・」

と、今思い出しても赤面モノの会話をしてしまったのだ。
でも普通、JUDY AND MARYはジュディーとマリーのコンビだと思わないだろうか?
ヒロシ&キーボーだって、じゅんとネネだってさくらと一郎だって
クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングだってみんなメンバーの名前だ。
モンキー・パンチもモンキーとパンチの共作だと思っていたがこれは違うらしい。

で、それらのバンド名を略すのも困りものだ。
EVERY LITTLE THINGはELT、DREAM COME TRUEはDCT、JUDY AND MARYはJAM・・
と戦後の消毒液みたいな略字(それはDDTです。)が乱れ飛ぶ。
特にJAMはその昔ポール・ウエラーがこれと全く同じ名前のバンドを組んでいたので
非常に紛らわしいのだ。どうせ略すなら最初から短い名前で出てきて欲しい。



2001年2月27日(火)『GTO』

反町と松嶋菜々子の婚約話がまだ盛り上がっている。
正直、私は松嶋菜々子と藤崎奈々子の区別が付かないし
(松島トモコだったら見分けられる自信がある。)
反町と竹野内豊の認識も怪しい。(そもそも反町の下の名前を知らない)
しかし、反町が主演した映画版GTOはちゃんと劇場で見たのだ。

この時は東京出張中で、打ち合わせまで2時間ちょっと開いていた。
そこで同行していた社長と「映画でも見るか・・」と言う話になり
時間的にちょうど良いこの映画を選んだのだ。

で、映画の感想としては・・・
藤原紀香が太っていた。グラマーを通り越して『でぶ』と言う感じ・・
走るたびに「ぶるん・ぶるん」と揺れていた。
その後、CMやドラマで見る限りそれほど太っているようには見えなかったので
私たちの錯覚だったのかもしれないが、とにかくそれが一番印象に残った。

あと本編が始まる前に見た『うずまき』と言う映画の予告編が印象的だった。
『リング』などを意識したホラーっぽい映画なのだが最後に

予約特典:『おそろシール』

と書かれていて笑ってしまった。・・どんなシールなのだろう?
小林製薬(この会社もいろんな面白グッズを出していて目が離せない)から発売された
カカトの角質を柔らかくする薬、『なめらカカト』に通じるセンスだと思った。

・・・反町と松嶋菜々子の話題からだいぶそれてしまった。



2001年3月09日(金)『石坂黄門』

石坂浩二が演じる第4代目水戸黄門は、顎髭が無いのだそうだ。
元禄時代にはヒゲを生やす風習がないと言うのが理由らしい。
『助さん、格さんお願いしますよ』と言うような口調もやめ、命令調にするらしい。

さらに、あのうっかり八兵衛が登場しないとか、新キャラとしてコロッケの演じる
変装の名人「素破(すっぱ)の次郎坊」が登場したり(変装じゃなくて物真似では?)と
大胆な変更が加えられるのだそうだ。

そして何より、印籠をかざすあの定番シーンすら用意しないのだそうだ。(第4話まで)
・・オーソドックスの代名詞だった水戸黄門も21世紀になって変わろうとしている。

そんな大変革の中、唯一変わらない存在がある。それが由美かおるだ。
役名こそ「疾風のおえん」と変えているが、「由美さんの入浴シーンは視聴者の期待値が
高いためどこかで使う」と番組のチーフプロデューサーが語っていた。
期待値の高いのは「由美かおる」なのか「入浴シーン」なのかをもう一度リサーチし直した方が
良いような気がする。

ちょっと調べてみたのだが、由美かおるは昭和25年生まれ。今50歳だ。
黄門役の石坂浩二と9歳しか違わない。
・・・女性というのは何歳までお色気をウリに出来るのだろう?



4月05日(木)『猛獣』

昔、松島トモ子が猛獣に噛まれたことがあった。
確かライオンに噛まれた後、一週間も経たないウチに虎に噛まれると言う
恐ろしいというか不注意というかそんな感じの事件だったと記憶している。
その時、仕事で一緒だったプロデューサーのSさん(当時40歳ぐらい)が
まじめな顔でこういった。
「松島トモ子ってさ・・オレが子供の頃から、あの顔だったんだよ・・」
その時、Sさんはお化けでも見たときのような青ざめた顔をしていた。

由美かおるもそうだが歳を取らない女性ってちょっと怖い。
ひょっとしたら猛獣たちもその動物的な勘で(っていうか動物だけど)
普通と違う『何か』を感じ取って、それで恐ろしくなって噛みついたのかもしれない。

あれからさらに10年以上経った。
今頃松島トモ子はどこで、何に、噛まれているのだろう?

【4/9追記】
今、テレビに松島トモ子が映っている。なんだか妙にタイムリーだ。
番組によると彼女は15年前、取材でアフリカに行った際
最初はライオンに噛まれ、その1週間後にヒョウに噛まれたのだそうだ。
にこにこ笑いながら体験談を語る松島トモ子は・・
やはりあの頃と同じ顔・・だった。



2001年9月8日(土)『ROXY MUSIC』

ロキシー・ミュージックの来日&再結成ライブを見た。
いまいちマイナーなバンドなのでここでちょっと説明しておくと
1972年にイギリスで結成されたバンドで当時はグラム・ロック<注1>と言うか
ニューウエーブというか、そんな感じのジャンルで括られていたと思う。
中心メンバーはブライアン・フェリー、フィル・マンザネラ、アンディ・マッケイで
結成当時はあのブライアン・イーノ<注2>も在籍していたと言う伝説のバンドなのだ。

・・と、熱く語っても知らない人は全然知らないと思うのでもう少し一般的な接点を
探してみると、昔キムタクが出ていたドラマ『ギフト』の主題歌がブライアン・フェリーの歌う
『Tokyo Joe』と言う曲だったのと、最近で言えばトヨタのクルーガという車のCMに
彼らのラストアルバム『Avalon』からのシングル曲『More Than This』が使われている。

ラストアルバムを出してから19年ぶりの再結成と言うこともあって
会場にはそれなりに年輩の人が多かった。開演前に聞こえてくる会話も
「この間、ジミー・ペイジのライブビデオ見たんだけど、すっかり腹出ちゃってたね。」
なんて感じだった。でもそう言ってる本人の頭もすっかり禿げ上がってたりして
何というか、ロックという文化の『成熟』を感じさせずにはいられない雰囲気だった。

演奏は素晴らしかった。
ブライアン・フェリーの『喉の微妙な位置から絞り出しているような声』に
フィル・マンザネラの『次にどんな音でどんなフレーズを弾くか予想が付かない
ギターソロ』が重なり、さらにアンディ・マッケイの『泣き叫んでいるような』サックスが加わって
震えるくらい感動的なをライブを見ることが出来た。
10年ぐらい前、ブライアン・フェリーがソロで来日したことがあって
そのライブも良かったが、やはりこの3人が揃ってこそロキシー・ミュージックなのだ。

演奏された曲は30年前の曲だったりするのだが、全然古さを感じない。
例えば「In every dream home a heartache」と言う曲はAメロが10回の後にBメロが
10回だけと言うようにちょっと普通じゃない曲の構成をしている。
(数は数えてないので適当ですが・・)にも関わらず、きちっと盛り上がる。
『More Than This』なんて一歩間違えるとA.O.R.<注3>みたいな曲なのに
シンプルで普遍的な強さと美しさを持っている。

袋ネズミは見た目はネズミとそっくりだけど実は有袋類という全然違うジャンルの動物が
進化を遂げた姿であるように、これはロックに似せた全く別の音楽なのではないかと思う。

・・と言うことで大満足のライブを見終わり、上機嫌で会場を後にしながら
「そう言えば今日、コンサドーレの試合があったっけ・・」と携帯で試合結果を
チェックしてみると・・・

がーん! 4連敗? またロスタイムで失点? 延長Vゴール負け?
新戦力のアダウト不発?
・・・せっかくの良い気分が、一気に吹き飛んでしまいました。

<注1>
グラム・ロック
グラマス・ロックの略。奇抜なファッションとメイクが特徴的。
T−Rexや初期のデヴィッド・ボウィなどが有名。
後に発生するパンク・ムーブメントの源流となった?

<注2>
ブライアン・イーノ
アンビエント・ミュージックと呼ばれる環境音楽の創始者。
トーキング・ヘッズやU2のプロデューサーとしても有名。

<注3>
A.O.R.
アダルト・オリエンティッド・ロックの略。
大人向けに作られた耳障りの良いロック。



2003年9月6日(金)『ツーハンマン』

テレビドラマはそれほど熱心に見る方ではないのだが、ツーハンマンだけは毎回見ている。
世間ではあんまり盛り上がっていないようだが、久しぶりに面白いドラマだと思う。
特に第一回目。限られた時間帯の中で、しっかり全員分のキャラ立てをしていて、
ひとつひとつのシーンに全く無駄がない。
あってもおかしくなさそうな小さなエピソードを積み重ねることによって
ちょっと無理がありそうな設定やストーリー展開を、ごく自然に見せている。
コメディ・タッチなので軽く流して見てしまいがちだが、実はすごく計算された
構成なのではないかと思った。

二回目以降も、登場人物一人一人にスポットを当てながら
トラブル発生→主人公が巻き込まれる→ツーハンマンの商品プレゼン&お説教で万事解決
と言うフォーマットを守りつつ、全体の大きな流れを進めている。

この約束事を守りながら毎回書ききるのは、すごく大変だと思う。
実際、回によっては商品プレゼンがちょっとこじつけっぽい時もある。
でも台詞まわしがうまいので、ついつい騙されて見入ってしまう。

タイトルも時間帯もB級っぽいし、役者の演技過剰な部分が
気になる時もあるが、お勧めなので興味ある方は是非。

ドラマと言えば、『愛なんていらねえよ、夏』というタイトルが妙に妻のツボにはまったらしい。

妻「晩ご飯に納豆食べる? 夏」
私「おかず結構あるから納豆なんていらねぇよ、夏」

などと言ってしばらく遊んでいた。
37歳にもなって、そんなことでいいのだろうか、秋。







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