○エッセイ〜政治編


2000年8月06日(日)『失言魔術師(古典落語風)』

ベルリンの壁も崩れ、女性の服もどんどん薄くなって来てはおりますが
いまだ言葉の壁は厚いようで・・・・・・・

「よう外務大臣! 外務大臣はいるかい?」
「これは森首相。今日は何の用かな?」
「物知りのあんたを見込んで、ちょっとばかし頼みがあるんだ。
・・実は、こんど沖縄で『さみっと』とか言う寄り合いがあってな
そこに集まるのが異人さんばっかり・・
自慢じゃぁないがこっちとら江戸っ子だ。
適当に何か使える英会話を見繕ってくんな」
「魚屋じゃあないんだから適当に見繕えといってもな・・
まぁ重要な話し合いは通訳を通すのだろうから・・」
「通訳ってあの若ハゲ野郎か?」
「話は最後まで聞きなさい。若ハゲかどうかは別として
通訳がいるのなら挨拶だけを憶えればいいだろう」
「ほう・・メリケンの言葉にも挨拶があるのか?」
「当たり前だ。英語、イタリア語、中国語・・」
「落語、タマゴ、カゴ、リンゴ・・」
「話を混ぜっ返すでない。
とにかく、語学の基本は全て挨拶だ」
「成る程ね。じゃあその挨拶って奴を手短に頼むよ」
「ふむ。まず憶えなければならないのがハウ アーユーだな」
「這う?」
「これこれ、地面に這いつくばってどうする?
ハウ アーユーはお元気ですかという意味の英語だ。
外人ってのは見栄っ張りでな・・どんなに具合が悪くても
ハウ アーユーと聞かれれば アイム ファイン・・
つまり元気ですと答える。そこでだ!」
「ん? どこでだ?」
「何を探しているのやら・・・
そこで次に憶えるべき言葉が ミー トゥだ。
つまり、私も元気ですと答えれば良いのだ」
「ミー トゥ。納豆の本場だな」
「余計なことは考えんでよろしい。
では言ってみなさい。まずハウ アーユー」
「ハウ アーユー」
「ふむ。なかなか良い発音だ。」
「ミー トゥ」
「いや、お前さんのことを誉めたんだが・・」
「ハウ アーユー」

何度か横道にそれながらも森首相、ハウ アーユーとミー トゥの
二つの言葉を覚えて外務大臣の家を後にしました。

「ハウ アーユーとミー トゥ・・
あのやかん頭もたまには役に立つもんだな・・
ハウ アーユーとミー トゥ・・
しかも発音が良いなんて誉められちまった。
ハウ アーユーとミー トゥ・・
ふぅ・・しかし今日も暑いな・・
ハウ アーユーとミー トゥ・・
ふぅ・・汗ぐっしょりかいちまった。
ハウ アーユーとミー トゥ・・
ふぅ・・アーユーとミー トゥ・・」

いつの間にか森首相、ハウ アーユーをフー アーユーと憶えてしまいました。
そしてサミット当日。会場には世界各国の首脳がずらりと並んでいます。

「ほほう・・いるないるな・・
昨日までは異人さんを見るたびに逃げ回ってたが
今日は違う! 何ったって英語をマスターしたからな・・
おっ! あそこにメリケンの大統領がいるな!
よしよし! まずは挨拶! 会話の基本だ!」

そう言いながらクリントン大統領に近づき
素っ頓狂な声で叫びました。

「フー アーユー!!」

驚いたのはクリントン大統領です。
今まで旧知の仲だと思っていた森首相がいきなり
お前は誰だと聞いてきているのですから無理もありません。
しかし頭の回転の速い大統領、すかさず冗句で切り返しました。

「アイム ヒラリーズ ハズバンド!」

「ん? 何だ? なんて言ったんだ?
そういや、外務大臣が言ってな・・
異人さんは必ず元気ですと答えるって・・
・・よし! 元気の良さなら負けねぇぞ!」

深呼吸した森首相、さらに大きな声でこう言いました。

「ミー トゥ!!」

「・・ははは! どうだ! この発音の良さ!
メリケンさんも驚いてるぞ・・・っておい! 何怒ってんだ?
顔真っ赤にして、頭から湯気出して・・
おいメリケンさん! メリケンさーーん!!
・・・帰えっちまったよ。」

言葉の壁だけではなく、面の皮も厚かったようで・・・・・

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これは沖縄サミットで森首相が実際にやらかしてしまった失言を
古典落語風にアレンジしたものです。
なお、森首相の名誉のためにコメントを追記しますが赤い字の部分のみが事実で
それ以外は私の脚色です。(それでも凄い話だけど・・・)



2000年9月12日(火)『高級カツラ』

国会議員の不正を追求するのは良いことだと思うが
着服した金の用途として『高級カツラ代など』とバラしてしまうのはどうだろうか?
カツラを被っていると言うことは恐らくハゲを隠したいからであって
実際、国民の大半は彼がハゲであることに気付かなかったはずだ。

ひょっとしたら罪を犯し、議員を辞職したことよりも「ハゲを暴かれたこと」の方が
彼にとってショックだった可能性だって考えられる。
刑期はいつか終わるし、議員にだって返り咲く人はいる。しかしハゲは治らないのだ。
(いや・・治るのかもしれないですけど・・・)

着服した金で本当に高級カツラを買ったという裏付けはとれているのだろうか?
カツラだけはきちんと自分の給料で買ったのかもしれないではないか。
なぜ彼がこんなにも責められるのだろう?
不正とハゲ隠しという二重の罪があるとでも言うのだろうか?

そもそも「高級カツラ」という言い方はどうなのだろう?
確かに200万円のカツラというのはインパクトがある。
乗用車1台分を頭に乗せているようなものだ。
しかし、きちんとしたカツラ・・・つまりお辞儀してもずり落ちず
雨の日に演説をしても生え際が目立たないカツラを被る以上、
誰だってそのくらいの出費は覚悟しなければならないのではないだろうか?

差別の問題がクローズアップされている昨今、ハゲの人だけはあまりにも無防備に
打たれすぎてはいないだろうか? このままでは彼が「いいヅラツラの皮」である。

こうなったら山本議員は一刻も早く復帰して、ハゲの人権を守るために立ち上がるべきだ。
この事件によって彼は日本で一番有名な「ハゲた政治家」になった。
だとしたらこの事実を受け止め、プラスに転じてゆけばいい。

ハゲを病気として認め、保険がきくように働きかけよう!
厚生省を動かし、ハゲ治療を研究するプロジェクトチームを作ろう!
文部省を動かし、ハゲもまた個性であるという教育を徹底させよう!
マスコミを動かし、ハゲこそかっこいいという風潮を作ろう!

今こそ一致団結し、いわれのない差別と戦うのだ!
党名は「毛乳党」・・毛根の発芽組織である毛乳頭にちなんだネーミングだ。
応援してくれる人(無毛派層)は多そうだし、参加する議員も結構いるのではないだろうか?



2001年8月30日(木)『小泉人気』

9月6日、双葉社から小泉首相の写真集『KOiZUMi』が出るらしい。
一国の宰相の写真集ってのは、前代未聞の話ではないだろうか?
スポーツ新聞などには「『すべて見せる』首相写真集が来月発売!」とか
バスローブ姿も・・」などという見出しが大きく掲載されている。
・・・見たいのだろうか?

人気があるのは良いことだが、ちょっと方向性が間違っている気がする。
ポスターが売れたり、着ていた服が人気になったりするくらいならまだ理解出来るが
今回の写真集や、例のプレスリーのCD(小泉首相が選曲して解説文を書いた)が
ヒットしたりしてしまうと、なんだかついていけない気分になる。

この本がもし売れてしまった場合、第2弾はさらに露出度が上がって
超お宝! 限界ギリギリ水着写真!」とか
究極のエロス! ついに禁断の『あの』部分まで・・」とか
首相自らが猥褻の限界に挑戦! 究極の丸秘袋とじ」とか
肉体サミット! うれしはずかし証人歓悶(かんもん)」などと
どんどんエスカレートして行きそうな気がして恐い。

果たしてこんな状況がいつまで続くのだろう?
盛り上がっているウチは楽しいが、こうしているうちにも景気はどんどん悪化しているし
今後、スキャンダルなどが発覚して小泉人気が落ちてしまった時、味方してくれる人は
自民党の中にどのくらいいるのだろう?



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