2003年10月の日記

○過去日記〜2003年11月
















 ○問題の椅子


 ○危険なトレイ

11月1日(土)『トラップ』

妻は家のあちこちにトラップを仕掛けている。

例えば救急箱。
ウチの救急箱は、食器棚の上の方にあるのだがこれを取ろうとすると
ドドドドっと氷枕やうちわ、絆創膏などが落下する仕組みになっている。
救急箱を取ろうとしている時は、たいてい頭が痛かったり熱があったり
どこか怪我していたりと身体が弱っているわけで、この直撃を受けると
通常時の2倍くらいのダメージをくらうことになる。
今のところ、怪我などはしていないが
(というか救急箱で怪我をしたらシャレにならない)
かなり危険であることは確かだ。

その向かいにある戸棚は、開けると必ずカセットコンロの缶が落ちてくる。
いや、必ずと書いてしまうのはちょっと大げさだ。
そうじゃない時もある。でもそうじゃない時はガムテープが落ちてくる。

また、トイレの棚から未使用のトイレットペーパーが落下して、
そのまま水没という痛ましい事件が起きたこともあった。

昨日の夜は、キッチンに行こうとして椅子に思いっきりぶつかってしまった。
昼間の明るい時、なんか危ないなぁとそれなりに注意してはいたのだが
電気が消えていたため、その存在をすっかり忘れていたのが敗因だった。

この椅子、アフリカのものらしいのだが、写真を見てもらうとわかるように
まるでむこうずね(弁慶の泣き所)を直撃するために設計されたかのような
大きさと形なのだ。……実際、悲鳴を上げるほど痛かった。

今一番怖いのは、こいつ。
座椅子の横に置いてある、固くて重そうな木のトレイだ。

私「ねぇ、このトレイは何でここに置いてあるの?」

妻「座ってお茶を飲む時に便利でしょ?」

その理屈はわからなくもないが、誤ってこの端っこを踏んでしまうと
てこの原理でこいつがビュンと起きあがり
やはり、むこうずねを痛打するのではないだろうか?

私「……この家は、危険なトラップがいっぱいだよ」

妻「大丈夫だよ。私も時々、ひっかかってるから」

何がどう大丈夫なのか聞きたい。
……毎日が、サバイバルだ。





11月3日(月)『辛い話』

『からい』と『つらい』は、同じ『辛』という字を書く。
これが結構ややこしい。

『辛い人生』と書けば、おそらく『つらい』と読むのだろうと想像が付く。
『辛い食事』と書けば、おそらく『からい』と読むのだろうと想像が付く。

では、『辛い食生活』と書いたらどうだろう?
からい食事を毎日食べる生活なのだろうか?
それとも、病院食のような味気ない食事が続くつらい毎日なのだろうか?

キムチ作るのって、辛いよね?

この文章はどうだろう?
作る仕事自体が大変でつらいのか?
それとも、作ってる最中に唐辛子の粉が口に入ってからいのか?

つらいくらいからい

上の言葉は、文章としては間違っていないと思う。
しかし、漢字にすると『辛いくらい辛い』となってしまう。

からイクラ、居づらい?
……これでは何がなんだかわからない。

つらくないからさだって、からくないつらさだってあるはずなのに
同じ文字を使うのは、ちょっと乱暴な気がするのだ。
いっそのこと『食辛』という文字を作って、『からい』と読ませたい気分だ。

『幸』という文字と似ているのも気になる。
横棒を一本抜いただけで、『幸』が『辛』になってしまうのだ。

何かひとつ欠けただけで、幸せは簡単に壊れてしまい
つらい毎日に逆戻りするという教訓なのだろうか?

あるいは、今はつらくても、ここで一本気合いを入れたら
きっと幸せになれるよという励ましなのだろうか?

私は結構、からいものに対しては強い方だ。
マジックスパイスというカレー屋さんに通って毎回一段階ずつからくしていったら
いつの間にか一番からいのを食べても大丈夫になったという
まるで忍者が木を飛び越えるエピソードのような感じで、からさに慣れたのだ。

左にある写真は、今あるからい調味料。
タバスコは定番だが、あまり大量に使うと酸っぱさが出てしまうので困る。
その点、写真左の『OH HOT』は酸っぱさが抑えてあるので便利だ。
昔はいろんなスーパーに置いてあったのだが、最近なかなか見かけない気がする。
中央にあるのは『AFTER DEATH』という強力なペッパーソースで
入れ過ぎると泣きたくなるくらいからくなる。しかし、最近はだいぶ慣れてきた。

からいのだけじゃなくて、つらいのも、こんな風に慣れてゆけば
人生、幸せになれるのにねというオチでひとつ。



11月5日(水)『ビギナー』

最近、ドラマ『ビギナー』を見ている。
司法研修生という我々にはなじみのない世界を舞台にしているので興味深い。
お話や演出がやけに漫画っぽいのだが、それも最近は慣れてきた。

ただ、CMに入る前、ナレーションで

ギナーは、ごらんのスポンサーでお送りいたします」

と、『』の音にアクセントが付いていて違和感があった。
確か、英語的には『』にアクセントがあるはずだ。

気になったので妻に聞いてみた。

私「ねぇ、ギナーが正しいの? それともビナーが正しいの?」

妻 「ギナー、……あれ?
ナー、……あれ?
……あれ? ……あれ? ……あれ?」

そう言いながら、ループモードで混乱している様子だ。
やがて……

妻 「ねぇ、意識しない私を意識して」

と、まるで禅問答のようなことを言ってきた。

私「え? どういう意味?」

よくよく聞いてみると、アクセントやイントネーションを意識してしまうと
どうしても発音が不自然になってしまうので、それを意識しないで喋っている時の
自分の発言を、私に意識して聞き取って欲しいという意味なのだそうだ。

ドラマ終了後、さっきの話をすっかり忘れた妻が

妻 「ギナーって、結構面白くなってきたね」

私 「それだ!」

妻 「どれ?」

私 「今、頭にアクセントを付けて喋った!」

妻 「え? そうだっけ?」

自分の喋ってる言葉には、もう少し責任を持って欲しいと思う。



11月8日(土)『冷凍プリン』

某ゲームのシナリオにも書いたのだが、冷凍プリンはもっと認知されるべきだと思う。

食べたことのない人は、騙されたと思って一度試してみて欲しい。
作り方は簡単だ。お店で売っている一番安いタイプのプリンを買って
冷凍庫で凍らせればいいのだ。

冷凍プリンビギナーな人は、まず半冷凍状態で食べてみて欲しい。
普通のプリンよりも、ちょっと重い感じになって不思議な食感を楽しめる。

そして、さらに凍らせると、最初シャリッとしてその後に、とろっと溶けるという
冷凍プリンにとって最高の状態になる。このタイミングの見極めが難しい。
凍らせすぎるとガチガチになってしまい、食べにくくなるのだ。

焼きプリンや牛乳プリンなど、いろんなパターンを試したが
今のところ、プッ○ンプリンのような安いタイプのプリンが一番向いている。

よくお店で、プリン味のアイスなどが売られているがそんなものを食べるならば
本物のプリンを冷凍して食べた方がよっぽどおいしいと思う。

プリン好きの方はぜひ、試してもらいたい。
ミカンが冷凍ミカンになった時よりも、ずっと新鮮な驚きがあるはずだ。

いやむしろ、冷凍させないプリンを物足りなく感じるようになるかもしれない。

私も昨日、3個入り90円のプリンを冷凍させて食べた。1個30円だ。
38歳の大人が、30円のプリン食べてよろこんでいる図もどうかとは思うが……



11月11日(火)『湯豆腐の境界線』

湯豆腐の境界線はどこにあるのだろう?

通常、湯豆腐と聞いて思い浮かぶのは、豆腐を昆布だしのお湯で煮た料理だが
家庭によっては、さらに葱や白菜を入れたり、白滝を入れたりもするらしい。
鱈を入れるという人もいる。『たち』という鱈の白子も……って、ちょっと待って欲しい。
それはひょっとして、『寄せ鍋』と呼んだ方が適切ではないだろうか?

では、だし汁に醤油を入れたら? ……まだ湯豆腐だと思う。
味噌を入れたら? ……なんとなく、『豆腐のみそ汁』って感じになってしまう。

また、白菜ではなくキムチを入れたら……それだけで『肉のない豚キムチ鍋』に
なってしまいそうな気がする。これなんかちょっと教訓的だ。
本来なら、『だし+豆腐』で湯豆腐として完成している食べ物なのに、
キムチのような『余計なもの』を入れてしまった途端、
豚肉という、さらに足りないものの存在が際だってしまうのだ。

『足りないのではなく、何かが多いのだ。』

早川義男という人の歌詞にもある通り、なんか物足りないなと思った時
さらに別のものを足すのが通常良くある解決方法だが
そうじゃなくて、今あるものの中から余計なものを見つけ出して
それを引くことが、実は一番正しい問題の解決方法だったりすると思うのだ。

えーっと、湯豆腐の話に戻る。
豆腐は木綿の場合もあるし、絹の場合もある。これは好みの問題だと思う。
では卵豆腐はどうだろう? ちょっと味がぶつかりそうな気がする。
高野豆腐を入れたら? ……なんとなく『煮物』になってしまいそうだ。
杏仁豆腐を入れたら? ……それを食べる勇気を、私は持っていない。

そもそも『鍋』である必要性はあるのだろうか?
例えば茶碗に冷たい豆腐を入れ、そこにお茶漬けの要領で熱いだし汁をかける。
こうすると最初は冷や奴感覚だが、食べているウチに中まで火が通ってくるので
まるで湯豆腐のような食感になると言う、ちょっと欲張りな豆腐料理が出来そうだ。

あるいは、沸騰直前の醤油を、ネギをのせた豆腐の上にじゅじゅっとかける
冷や奴ならぬ『熱奴(あつやっこ)』も、やってみたら意外においしそうな気がする。

挽肉を辛いソースで炒めて豆腐と和えたら?
……って、それは既に麻婆豆腐という名前で商品化されている。



11月14日(金)『勝ち組/負け組』

勝ち組/負け組という言葉は、ちょっとどうかと思う。
昔から、ネクラ/ネアカとか、まるキン/まるビとか、スキゾ/パラノとか
そんな風にして、二つのうちどっちかひとつに決めつける分類はよくあったが
この勝ち組/負け組は、ネタとしていまひとつ笑えないというか……
その人の人生そのものを決めつけてるみたいで嫌な気分になるのだ。

これだけ良く聞く言葉にも関わらず、じゃぁ、誰が勝ち組なのか?
と聞かれても、私には今ひとつ思い浮かぶ人がいない。

『マネーの虎』の、虎側に座ってる胡散臭い人たちは本当に勝ち組なのか?
街角でやたらモデムを配っている『ナンバーワンブロードバンド』の偉い人は?
ユニクロの社長は? 星野監督は? 小泉首相は? ブッシュ大統領は?
……どの人もちょっと微妙な気がする。

きっと、今生きてる人について考えるから、わけが分からなくなるのだろう。
では織田信長は勝ち組だろうか? 長い歴史の中でも個人で天下を取った人なんて
そんなに多くない。死んでずいぶんたった今でも『信長の野望』なんて
ゲームが出ているくらいの人気者だ。そう考えれば、間違いなく勝ち組だ。

でもこの人、部下に裏切られて49歳の若さで亡くなっている。
……勝ち組と言い切るには、ちょっと悲しすぎる死に方だ。
でも信長でさえ勝ち組に入れないのだとしたら、いったい誰が勝ち組なのだろう?

私の学生時代、ダイエーの中内オーナと言ったら勝ち組の代表のような人だった。
今だったらこの人はどっちに分類されるだろうか?

昨日負けてた人が、今日は勝ってることだってあるし、その逆もある。
だから『俺は勝ち組だぁー!』と今思ってる人は、きっとすぐに負けるだろう。
ただ、『どうせ俺なんて負け組だ』と思ってる人が勝つことは、滅多にないと思うのだ。




11月17日(月)『湯どうふプレッツェル』

コンビニで見かけてビックリしてつい買ってしまったもの。

カバヤ『湯どうふプレッツェル』95円。
〜和風の鍋の代表格、『湯豆腐』をイメージしたプレッツェルです。
ポン酢仕立てのあっさりした湯豆腐のおいしさをお楽しみ下さい。

早速食べてみる。
袋を開けると、ポン酢のにおい。食べると昆布の味。
時々柑橘系の味がする。でも基本はポン酢味だ。豆腐は?
なんとなく豆腐っぽい味も、あるような無いような……

ネットで調べてみると、以下のような記事を見つけた。

カバヤ食品は鍋をテーマにした冬季限定プレッツェルを
11月11日から全国発売する。
液状豆腐を練りこんだぽん酢風味の「湯どうふプレッツェル」と、
肉エキスを配合した割り下仕上げの「すき焼きプレッツェル」の
2種類。1箱60グラム入りで希望小売価格100円。

液状豆腐を練り込んでいるなんて知らなかった。
どうせなら、ポン酢の味に邪魔されない『豆腐プレッツェル』を
食べてみたい。で、同じパッケージに『ポン酢プレッツェル』と
『昆布プレッツェル』の3種類を入れておいて、
3本同時に食べると湯豆腐の味! なんてした方が楽しそうだ。

これが実現すれば夢はどんどん膨らむ。
『豆腐プレッツェル』と『辛味噌挽肉炒めプレッツェル』を
同時に食べて麻婆豆腐味にしたり、『味噌プレッツェル』と
『わかめプレッツェル』と一緒に、みそ汁味を楽しんだり
これに『豚肉プレッツェル』を合わせると、豚汁味になったり……
と、色々遊べると思うのだ。

同時発売のすき焼きプレッツェルも、どうせならこの方式にしたい。
肉味、豆腐味、しらたき味、葱味、卵味とたれ味を用意して
最初は肉+たれ+卵、次に葱をはさんで……とローテーションを
考えながらみんなで楽しく食べられる。

これはぜひ、カバヤさんに実現してもらいたい。





11月21日(金)『はんぺん』

ちくわ、かまぼこ、なると、はんぺん。
これら練り物系のネーミングには、ひとつの共通点がある。
どれもひらがながよく似合うのだ。

竹輪と書くと、なんだか竹を横に細く切って作った輪っかのようなイメージだし
蒲鉾も字だけ見たら、見慣れない魚の蒲焼きみたいな印象を受ける。
鳴門はどう考えても土地の名前だし、半片なんて紙切れのようだ。
やはりこれらは、ひらがなで書いてこそ、おでんの主役になりうるのだ。

ちくわ、かまぼこ、なると、はんぺん。
なんとなく、やわらかくて、まるっこい語感がある。
猫の名前なんかに向いてると思う。

同じおでん種でも、ダイコン、バクダン、ガンモ、タマゴは
カタカナが良く似合う。非常に微妙な感覚なのだが、ちょっとだけ尖っていて
攻撃的な語感なのだ。こっちはむしろ、犬の名前としてお勧めしたい。

……話を練り物に戻す。
今更ながらすごいと思うのは、こらはどれも原料は魚なのに
味も形も全然違うという点だ。これが肉だったらそうもいかない。
ハンバーグ、つくね、ミートボール、キョフテ(トルコ料理)
どれも結局、おんなじタイプの料理になっていると思うのだ。

私は練り物系が好きだ。ちくわはストローにしたいくらいだし、
幕の内弁当にかまぼこが入っていないと非常に損した気分になる。
どんぶりを覆い隠すぐらい大きい巨大なるとのラーメンがあったら
ぜひ一度食べてみたいとも思っている。

しかし一番好きなのは、なんと言ってもはんぺんだ。
フライパンでバター焼きにして、それに醤油をちょっとたらすと
それだけで、ご飯にもパンにも合うおかずになる。

セブンイレブンのおでんには、丸くて大きなはんぺんが入っていて
これも大好物だ。逆に、はんぺんのないおでんは、とても悲しい。
おでんを食べる意味がないとすら思える。

今日は近くにある『ねずおこのみ』(札幌市豊平区美園9条1-1)
というお好み焼き屋さんで『マシュマロチーズ・モダン』を食べた。

名前からすると、お菓子のマシュマロが入ったゲテモノ系っぽい印象がある。
実際、わたしも最初はそれを期待して注文した。

しかし入っているのはマシュマロではなくて、大きなはんぺん!
これは嬉しい誤算だった。生きていてなかなか『嬉しい誤算』なんて
味わうことはないと思う。それだけに貴重な経験だった。

食べてみると、はんぺんとチーズとお好み焼きソースが良く合う。
かりかりに焼けたソバも香ばしくておいしい。
札幌市に住む、はんぺん好きな方には是非お勧めしたいお店だ。

これ以外にも、キャベツのステーキやニンニクの唐揚げなど
名前から想像する以上に凝っていておいしい物が多いので
ここのご主人は、ただ者ではないと思う。



11月25日(火)『ニュース』

新聞を見たら、15歳の孫を口論の末、猟銃で撃ち殺し
自分も自殺したというお爺さんのニュースが載っていた。
で、その口論の原因が、孫の進路について……
なんかやるせない気持ちになった。

これに限らず、最近は暗くて嫌なニュースが多いなと思う。

でも、ひょっとしたらこれって
いつの時代でも、同じことなのかも知れない。

例えば10年後の自分に『最近は、暗くて嫌なニュースが多いよね』と言ったら
その時代に起こってるいろんなニュースを思い浮かべながら
『うん。確かにそうだね』と頷いてしまうような気がする。

そう考えると、暗くて嫌なニュースというのは特別なことじゃなくて
逆に、暗くて嫌なことこそ、ニュースの本質なのではないか?
マスコミの人たちは、わざわざ暗くて嫌な事件ばかりを選りすぐって
その日のニュースを報道しているのではないか? とすら思えてくる。

どうなんだろう?
こういう暗いニュースが報道されることによる悪影響って、無いのだろうか?

例えば、オレオレ詐欺。
これなんかは、ニュースで話題になることによって便乗犯が増えて
結果的に社会問題にまで発展してしまったように思える。

じゃぁ、ピッキングはどうだろう? 性犯罪はどうだろう?
報道されることによって、ぴんときた人たちが
そのニュースを参考に、似たような犯罪を犯すことって
結構多いのではないだろうか?

別に暗いニュースから目をつぶろうと言ってるのではない。
同じニュースでも、取り上げ方やコメントの付け方によって
世の中を少しでも明るい方向に持っていけるのではないかと
そんな風に思ったりするのだ。

もちろんニュースだけじゃない。
ゲームのシナリオもそうだし、こう言ったホームページも……
もっと広げて言えば、他人と接する全ての人の心の中に
『でも人間って、まだまだ捨てたもんじゃないよね』って気持ちを
いつも置いておくようにしていれば、世の中はきっと明るくなってゆくと思う。




11月27日(木)『ハバネロ』

今から約20年前、湖池屋からカラムーチョが発売されて
それがきっかけで空前の激辛ブームになった。

スナック菓子だけでなく、カップラーメンや焼きそばなど
いろんな激辛新製品が続々と発売され、コンビニに溢れた。

しかし、このブームもそんなに長くは続かず
結局、カラムーチョだけが定番として生き残った。

そして2003年。平成のカラムーチョを目指して……
いるのかどうかは知らないが、東ハトから『暴君ハバネロ』(写真右)という
スナック菓子が出た。カラムーチョがポテトチップスなのに対し
これはポテコ系というか投げ輪系というか、一回練ったものを
揚げたタイプの(?)スナック菓子になっている。

辛さは普通……というか、これくらいがちょうど良いと思う。
これをきっかけに、また激辛ブームが来るのだろうか?

写真右にあるのは、『デスレイン ハバネロチップス』という
アメリカのポテトチップスで、こっちは極端に辛い。
(どっちにも『ハバネロ』という名前が付いているが、これは世界一辛い
トウガラシの品種なのだそうだ。)
全部食べると汗だくになる。妻は1、2枚食べただけで去っていった。

調べてみると、これを作っている会社は11月3日の日記に書いた
『AFTER DEATH』と同じ『extremefood』という会社だった。
和訳すると『極端食品?』確かにちょっと極端な気がする。

この会社は他に世界一辛いペッパーソース『ブレア氏の午前6時』を
出していることでも有名だそうだ。
25mプールに貯めた水に一滴垂らすと、その水が全部激辛になるとか
誤って飲むと肺を侵され呼吸困難になるとか、実は殺傷能力があるとか
そんなことが書いてあり、危険物を通り越してむしろ兵器という感じだ。

ここまで行ってしまうと、さすがに極端すぎるし何より高いので
(『ブレア氏の午前6時』は約125ドルもする)
私は、普通に辛いものを楽しむことにする。

掲示板で、かみーるさんが教えてくれた『かんずり』も近くの東急ストアーで買った。
余談だしローカルネタなので恐縮だが、ここのお店は最近リニューアルされて
品揃えがものすごく豊富になった。見慣れない調味料や、輸入系のお菓子などが
やたら充実しているので近くの方(東急アルテの向かい)は是非。

かんずりに話を戻す。これは色んなものに合うと思う。
例えばみそ汁を辛くしたいと思った場合、ペッパーソースだと味の質が変わってしまう。
でも、これなら大丈夫だ。パッケージの裏を見ると鍋物にも合うし、醤油に溶いて
お刺身にも良いらしい。柚子の風味が聞いているので、柚子胡椒っぽい使い方も出来る。

発酵食品のためか辛さのカドが取れている。この辺は感覚的な部分なので
説明が難しいのだが、同じ辛さでも尖った辛さと丸い辛さがあるのだ。
ということで、私の辛い(からい)食生活もますます充実してきた。かみーるさんありがとう。

ところで私は、こういう風に辛いもののことを考えていると
まるで梅干しを見た時のように、口の中につばが貯まってくるのだが
これって普通のことなのだろうか?

妻に聞いてみたところ「わたしはそんなに辛いものについて考えたこと無いから」
と、冷たく言い放たれてしまった。



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