○過去日記〜2003年10月


10月1日(水)『ご挨拶』

会社を辞めてフリーになりました。
仕事の環境もだいぶ落ち着いてきたのでホームページも
リニューアルしてみました。
(……と言っても、過去のものをまとめ直しただけで
中身は大して変わっていないのですけど……)

近況ですが、フリーになったら生活もだらけてしまうのかなと
ちょっと心配してたのですが、全然そんなことはなくて
毎朝、9時に起きて働いてます。
目覚ましが鳴る前に起きる日も珍しくないです。

かえって会社にいた頃の方が、朝なかなか起きられなかったり
土日は昼過ぎまで寝てたり……と、たるんでいたかもしれません。
自分のために使える時間が増えたので、今までサボりがちだった
この日記も充実させてゆきたいと思ってます。
今後ともどうぞ、よろしくお願いします。



10月2日(木)『映画三昧』

昨日は映画の日だったので、札幌シネマフロンティアに行った。
平日の昼間から映画を見られるのもフリーの良いところだ。

『パイレーツオブカリビアン』を見たのだが、これがすごく楽しかった。
どんな風に物語を進めたらワクワクするのか、
どんな風に映像を見せたら格好いいのか、そういうのをきっちり
わかってる人たちが作ってるんだろうなぁと思う。
台詞にちゃんとリズムがあり、メロディがあった。
こういうのは見習わなくてはいけない。

その後、調子に乗って『ターミネーター3』を見る。
映画のはしごなんて初めてかもしれない。
実はこっちの方が期待してたのだが……
これは『マトリックスリローデッド』と一緒で続編のための繋ぎの物語なのかもしれない。
でも主役が州知事になってしまったらどうなるのだろう?
ちょっと調べてみたら<■シュワ抜きでも「ターミネーター4」製作へ>
という記事を見つけた。確かに物語的には破綻もなく進められる気がする。
むしろ毎回、同じ顔の別のターミネーターが未来から送られていたという従来作の方が、
ずっと無理があったと考えることもできる。

だとしたらぜひ、次回作は西田敏行氏でお願いしたい。

夜の公園。時空がゆがみ、激しい光と共に登場する全裸の西田敏行!
何の説明もなく「I'm Back!(戻ってきたぜ!)」と言い張る。

前作同様の激しいカーチェイス! でも顔は西田!
圧倒的な迫力の格闘シーン! でも身体は敏行!
改良され、自在にメカを操る能力を身につけたため、今度はピアノが弾けるのだ!

ジョン・コナーの顔が2と3であれだけ変化してもOKな世界なので
その辺を柔軟に考えてもらいたい。



10月4日(土)『ヒーロー』

ラジオを聞いてたら『あなたの考えるヒーローは誰ですか?』
というアンケートをやっていた。
その結果、男性はウルトラマンや仮面ライダーなどの変身ヒーローの名を
あげていたのに対し、女性は小泉首相や安倍幹事長などと答えていた。
……政治家がヒーローの時代って幸せなのだろうか?
それとも、不幸なのだろうか?

アンケートと言えば、総裁選の時のTVで『小泉首相の改革路線を支持しますか?』
という問いに対してはそれほど支持が集まらなかったのにも関わらず
『小泉内閣を支持しますか?』と聞かれると圧倒的に『支持する』が多くなって
いたのも不思議だ。
小泉内閣から改革路線を差し引いた時に、残ったものっていったい何だろう?

最近の政治家は、若くてハンサムで、TVの前ではっきりとわかりやすい意見を
言う人が支持される傾向にあると思う。女性から『ヒーロー』とまで呼ばれる理由も
この辺にありそうだ。

これが良いことなのかどうかは、私にはよく分からない。
ただ少なくとも、『普通ならとっくに定年退職してるくらい高齢で、
犯罪歴があるにも関わらず、地元でだけは人気があるため何度も当選し
その結果、さらに地元に利益を誘導している』
……というような政治家が、今後減ってゆくとしたら、それはそれで
良い傾向なのかもしれない。

あと、あまり関係ないが、妻は安倍幹事長の顔を見るたびに
「この人って、犬顔だよね」とか「こういう顔の犬、絶対いるよね」と言っている。
……せっかく幹事長にまで上り詰めたのに、犬呼ばわりされてしまうのって
ちょっとかわいそうな気もする。



10月5日(日)『panda cam』

最近、我々がよく見ているホームページは、アメリカ・サンディエゴ動物園の
サイト内にある『panda cam』だ。
ここではパンダの親子の様子を、ライブカメラで24時間生中継しているのだ。

妻「あー! 今、身体を『むゅー』って伸ばした! かわいー!」

妻「あんなにちんちゃいのに、ちゃんとお母さんと同じ姿してるのがふしぎだよね」

妻「見て見て! 今、お母さんパンダの上に、子供パンダが乗っかったまま寝てる
よ!」

妻「お母さん、子供のこと踏みつぶしたりしないかな? ちょっと心配……」

妻「あ、今、子パンダが床に『でろん』としてるよ!」

基本的には定点カメラなのだが、時々スタッフの人がパンダを見やすいように
カメラのアングルを変えてくれたりズームしてくれたりするので、
そんな瞬間に立ち会えると、ちょっと得した気分になれる。

……でも考えたら不思議だ。
遠い国の、行ったこともない動物園の様子が
札幌に住む我々の話題の中心となりつつあるのだ。

妻「あれ? 子供パンダがいない……お母さんの袋の中かな?」

……ちょっと待った!
細かいこと指摘して悪いが、パンダは有袋類ではない。



10月6日(月)『続 panda cam』

昨日の日記の続きになるが
相変わらず、『panda cam』を見ている。

夜の11時頃、ふと見ると、子供パンダだけが
『ころん』と転がっているのに気づいた。

妻 「あれ? お母さんは?
……どこ行っちゃったんだろう?」

するとその直後、母パンダは葉っぱのようなものの束を
(白黒カメラなので詳細は不明)ずるずると引きずりながら
カメラの前に戻ってきた。

妻 「あー! お母さん戻ってきた!
……そっか! もう朝ご飯の時間なんだね」

母パンダは両手を使って器用に食事している。
その姿はぬいぐるみのように愛くるしかった。
(いや、こっちのほうが本物なのですけど……)

妻 「なんかかわいーね。何食べてるんだろう?
ユーカリの葉っぱ?」

……なぜそこで、コアラと混同するのだ?



10月7日(火)『〜円からお預かりします』

『1万円からお預かりします』

最近、日本語の乱れについて語られる時、その代表みたいに言われるのが上の言葉
だ。

「1万円からの『から』って何さ? 1万円払ってるのは『俺』であって
俺は別に、1万円じゃないよ!」

と言うのが問題としている側の主張らしい。

私は『から』については、あまり気にならない。
むしろ『お預かりします』の方に違和感を持っていた。

1万円を出して、おつりが発生した場合は納得できる。
しかし、代金が1万円ちょうどだった場合、何を預かると言うのだ?

この疑問を、当時の会社の先輩(デパート店員の経験あり)に聞いてみたところ
商売というのはレシートをお返しして、初めて成立するものだ。
だから代金がちょうどぴったりの場合でも、1万円は『お預かり』しているのだ。
……という答えが返ってきた。なるほど。それなら納得できる。

話を『から』に戻す。

『1万円からお預かりします』

これは、以下の文章の省略形と考えることは出来ないだろうか?

お客さんの『1万円から』、代金を差し引いた分を、いったんお店側で『お預かりし
ます』

で、その後にすぐ、おつり(またはレシート)をお返しいたします。

こう考えたら納得……いかないだろうか?

『1万円、お預かりします』

問題とされている『から』を取った上記の文章だと
お客さんから1万円も預かってる割には、『1万円、』の部分が
むしろ、ぶっきらぼう過ぎるように私には感じられる。

『から』を付けたことによって文章が曖昧になり
これによって、なんとなく丁寧な印象が生まれている。
さらに、1万円『から』預かってるだけですよ。後でちゃんと返しますよ。
と強調する効果も生まれるので、よけいな金銭トラブルを避ける効果もある。

変な日本語なのかも知れないけど、これだけ普及したのには
ちゃんと理由があると思うのだ。

I can't get no satisfaction.

ローリングストーンズのこの歌詞に
「二重否定かよ!」「満足なのかよ!」
と、突っ込む人はあまりいないと思う。

それと一緒で、もうちょっと大目に見て欲しいと思うのだ。



10月8日(水)『蛇口』

蛇口って言葉は、形が蛇の口に似ているから付けられた名前だと思うのだが
最近の蛇口は、その名前にふさわしい形ではなくなってるように思える。

また、蛇口から水を出す時、『蛇口をひねる』と言うことが多いが
やはり現在、ひねって水を出すタイプの水道設備が減りつつあるので
この言葉もいつか『ダイヤルを回す(=電話をする)のように』
消えてゆく運命なのかも知れない。

『蛇口をひねる』が死語になってしまった場合、代わりの言葉はどうなるのだろう?

ウチの洗面所にある蛇口は、その上部にあるレバーを『押す』ことによって
水が出る。では、『蛇口を押す』が代替語になるのだろうか?

しかし、キッチンにある蛇口はその逆で、レバーを『引く』ことによって水が出る。
そもそもなぜこんなややこしいことになっているかというと、去年ぐらいに
キッチンの水道が調子悪くなったので交換したところ、なぜか逆の操作で
水が出る方式に(何の断りもなく)変えられてしまったのだ。

話によると、神戸の地震の際、上からものが落ちてレバーが下がり
これによって水道が出っぱなしになってしまったことが相次いだため
それ以降、一斉に逆の操作方法になったとのことだ。

そう考えると、今後は『蛇口を引く』が普及するのだろうか?
でもこれだと、水道自体を配管する(=引く)と紛らわしい気もする。

やはり、蛇口という言葉は捨てて『水道のレバーを引く』が良いだろうか?
しかし最近は、手をかざすだけで水が出るタイプもあるし……

……いっそのこと、蛇口を本当に蛇の口の形にして、それをぎゅっとひねると
水が出るような『日本語的に正しい蛇口』を作り、普及させればいいのだ。




10月11日(土)『蟹頭』

昨日は、水曜天幕團・蟹頭十郎太を見に行った。

ウチのすぐ近く、普段から何気なく通り過ぎているTV局の駐車場に
急にテント小屋がどーんと建って、そこに人がどっと集まっているのを見ると
なんだか不思議な気分になってくる。

お芝居はすごく面白かった。
きっと作ってる人はもっと楽しんでるんだろうと思う。

ギャグの部分でどっと笑い声があがり、泣かせのポイントで
お客さんのすすり泣きの声が聞こえる。
こんな風にお客さんの反応がダイレクトに知ることが出来、その反応を見て
次の舞台までに悪かった点を修正することが出来る。
……そういうのって、ちょっと羨ましい。

これがゲームだったらそうはいかない。
お客さんがゲームをしてる背中越しに私がじぃぃっと覗いてたら
かなり落ち着かないだろうし、そもそもそんな機会、滅多にない。

タイムラグも大きい。
例えば今月の30日に発売される『北へ。ダイヤモンドダスト』
シナリオを書いていたのがちょうど去年の今頃だ。
ゲームとして世に出るまでに1年以上かかっている。
そんな風に考えると、お芝居にハマる人が多いのもわかる気がする。

出演者のうち、音尾さん、森崎さん、佐藤さんとは『N.U.D.E@』というゲームで
お仕事をご一緒させて頂いたことがある。
(裏方なので、向こうは私のこと覚えてないと思いますが……)
特に音尾さんとは、お蔵入りしてしまった某シミュレーションゲームを含めると
2作目になるのだが、その度に、この人は本当にすごい人だなぁと思う。

シナリオを書く時、一応、こんな風に台詞を読んで欲しいというイメージがある。
その台詞のニュアンスを完璧にとらえて、さらにそれ以上のお芝居を出してくる。
台詞を書いた側が嬉しくなってしまう役者さんって、そう多くはない。

音尾さんが準主役を演じて、アニメーションまで作ってあるあのゲーム……
ターゲットにしていたゲーム機自体が売れなかったり
作ってる側でもゴタゴタがあったりして、結局、残念な結果に終わってしまったけど
どうにかして世に出すことは……やっぱり出来ないのかなぁ……



10月12日(日)『肩こり』

ちょっと前の読売新聞に「肩こりは風土病?」という記事があった。
この記事によると外国には肩こりという病気は存在しないのだそうだ。
誰も肩こりで悩んでいる人はいないし、そもそも『肩こり』という
単語自体、辞書に載っていない。

……と、ここまではよく聞く話だ。しかし続きがある。
その外国の人が日本に来て、そこで長く生活していると
なぜか急に肩こりに悩まされるようになるのだそうだ。

何でだろう?
記事には「狭い住環境」や「複雑な日本語」などが原因では?
というようなことが書いてあった。
でも、本当にそうなのだろうか?

この逆のケースはどうなのだろう?
日本で肩こりに悩んでる人が外国に行ったら
肩こりは改善されたりしないのだろうか?
それとも、外国に住んでいる間もずっと
周りの誰もかかっていない『肩こりという名の奇病』に
悩まされ続けているのだろうか?

私も10年くらい前、肩こりで悩んでいたことがある。
ちょうど同じ時期、よく原因不明の頭痛になっていたため
医者に相談したところ「頭痛の原因の8割は肩こりです」と言われた。
……では聞きたい。肩こりの原因は何なのだ?

私の場合、仕事で使っていたパソコンのディスプレイを
真っ正面の位置に変えたら、肩こりはだいぶ改善された。
(それ以前は右斜めに置いてあった。)
その後、普段からよく歩くようになったら完全に治った。
原因不明の頭痛も、全く起こらなくなったので
「頭痛の原因の8割は肩こり」説は正しいのかも知れない。

ウォーキングで治ったことを考えると、肩こりの原因は
運動不足と推測することも出来る。しかし、世界中で
日本人だけが運動不足であるとは考えにくい。

ここで仮説を立ててみる。
肩こりという病気は、そもそも存在していなくて、みんながただ
あると信じ込んでいるだけの『偽の病気』なのではないだろうか?

仕事が終わって、「あー疲れたなー!」と思い
「こんなストレス貯まってたらやってられんよ!」と思う気持ち。
あるいは長時間、細かい仕事をして「もう肩パンパンだよ!」
と思う気持ちによって、自然と肩の血行が悪くなるよう
日本人は情報操作されているのではないだろうか?
で、その共同幻想(?)の内側に入り込んでしまった外国人も
同じ思いこみによって肩こりになってしまうのではないか?

大学時代、マーケットリサーチのバイトをしていたことがある。
ここではモニターが書き込んだ『調査票』と呼ばれるアンケート用紙を集め
それをデスクで集計するという仕事をしていた。
通常は、食品やたばこのアンケートが多かった。
しかし時々『アテ○ト』という名前の大人用紙おむつの調査があった。
で、この調査票を集計している時、バイト仲間のほとんどが身体の不調を
訴えることが多かった。目がかゆくなったり、湿疹が出来たり
頭痛がしたり微熱が出たり……我々はこれを『アテ○ト病』と呼んでいた。

この病気の原因は容易に推測できる。
みんなが、この大人用紙おむつの調査票を汚いと思い込んでいたせいだ。
実際は、そんなことは無いと思う。モニターの人(介護のヘルパーさんなど)が
このアンケートを、紙おむつをいじりながら書き込むとは考えにくい。
おそらく、おむつを付け替えて、手を洗ってから書き込んでいるはずだ。
実際、当時の私もそう思っていた。しかし、周囲のバイト仲間から
「なんか、それっぽいものが付いてる気がするんですよ」などと言われて
無意識のうちに、他の集計よりも嫌がっている気持ちが生まれていたのだと思う。
で、汚いと思っていないはずの私の腕にも湿疹が出来た。

この『アテ○ト病』と日本人の肩こり、結構、似ていないだろうか?



10月15日(水)『懐かしいおやつ』

ある日、妻がいきなり『クールン』を買ってきた。
クールンと言われてピンと来る人は多くないかも知れないが
昔、流行った手作りチーズケーキなのだ。
クラッカーを砕いたようなものをお皿に敷き詰めて
その上に牛乳と混ぜたチーズケーキのもとを注ぐ。
それを冷蔵庫で冷やすとあら不思議。
チーズケーキ風のデザートが出来上がるのだ。

久しぶりに食べたクールンは、ちょっとレモン風味で
おいしいかというと、ちょっと微妙な感じではあったが
かなり懐かしい気持ちに浸れた。

これに味を占めたのか、その後、妙に懐かしいおやつが気になる。
昨日もスーパーで『シャービック』を買ってしまった。
これは牛乳と混ぜた後、凍らせて作るシャーベットだ。
季節がずれているせいか、50円引きのワゴンセールのコーナーで
売られているのを見つけたのだが、これは今食べてもおいしいと感じた。

こういうデザートが、ずっと売られているのはなんか嬉しい。

そう言えば高校の頃、『ハートチップル』というお菓子を良く買った。
食べてると口の中が焼けるような感覚になってくるくらい
強いニンニクパウダーがまぶしてあるスナック菓子だ。
私は好きだったのだが、妻はその存在自体を知らないらしい。

これを作っているリスカ株式会社で、駄菓子屋やコンビニで売られている
『うまい棒』の会社として有名なところだ。

この『うまい棒』より、私たちの世代では『うまか棒』の方が有名だと思う。
混同している人も多い(私もそうだった)ようだが、『うまか棒』の方は
チョコ味のアイスバーだ。
『♪うま・か、ぼー』というCMソング
(字で書いても伝わらないとは思いますが……)も未だに覚えている。

以前、日記に書いた『池田バンビのピーナツロール』も
札幌の生協に売られているという情報もある。

えーっと、何が言いたいのかというと
こんな風に、古いお菓子がいまだに売られ続けていたり
復刻されたりしているのだから、やはり! くどいようだが
モコモコアイス』を復刻して欲しいのだ。



10月16日(木)『道頓堀ダイブ』

日本シリーズに向けて、阪神ファンが飛び込まないよう
橋の工事が行われてるらしい。土台部分に乗れないようにしたり
照明灯に有刺鉄線を巻いてよじ登れないようにしたり
飛び込まないよう呼び掛けるスピーカーも設置するのだそうだ。
……こういうのって、効果があるのだろうか?

リーグ優勝した時は、5300人が飛び込んだそうだ。
あの騒ぎから考えると、その程度の対策では止められないように思える。

どうせ飛び込む人が出るのだろうから、飛び込んだ人の安全性を高めるような
工事をする……というような考え方では駄目だったのだろうか?

今年はもう間に合わないだろうけど、例えば来年に備えて……
阪神ファンの力を結集して、あの川を綺麗にすると言うのはどうだろう?
5300人が飛び込んだということは、少なくともそれだけの人たちが……
前回の優勝も含めると、さらに倍近い人たちがあの川の汚さを実感してるわけで
その人たちからお金を集めるのは、そんなに難しいことではないと思う。
さらに選手自身や、この騒動で儲けた企業など、そういう人たちに向けて
『来年も飛び込みたいから川を綺麗にしよう!』と呼びかけたらどうだろう?

少なくとも、橋に新設されたスピーカーで『危ないから飛び込まないで下さい』と
酔っぱらった群衆に呼びかけるよりは、ずっと効果があると思う。

お祭り騒ぎは一瞬で終わる。でも川が綺麗になったら、この先何年もの間、
付近に住むみんなが、綺麗な水の恩恵を受けることが出来る。
それは阪神ファンだけじゃなくて、それ以外の人たちにとっても良いことだ。

『阪神ファンがよく飛び込む川』と呼ばれると、ちょっと三面記事っぽいけど
『阪神ファンが綺麗にした川』と呼ばれるようになれば、みんなの誇りになる。

あ、でも冷静に考えたら、阪神が来年も優勝争いをするようなチームだったら
そもそもファンが川に飛び込むような騒ぎにはなってなかったのかも知れない……



10月18日(土)『転機』

昨日、ニューヨークヤンキースの松井が、ワールドシリーズ出場を決める試合で
同点のホームを踏むのを見て、この人は何か持ってる人なんだなと思った。

彼はもともと右打ちだったのだそうだ。
子供の頃、上級生と野球をしている時、年下のクセにあまりにも大きな
当たりを打つので、ハンデとして左のバッターボックスに立たされたのが
きっかけで、そのまま左で打つようになったのだそうだ。

……考えようによっては、意地悪されたととらえることも出来るエピソードだ。
しかし、それがきっかけで、彼は後に日本を代表する左バッターになった。

高校時代の『五打席連続敬遠』にしてもそうだ。
いくら野球のルールに則った正当な作戦だとはいえ、
実際にあれで負けたら、かなり釈然としないものが残ると思う。
しかし、この事件がきっかけで彼の知名度は全国区になった。

人生の転機というのは、こんな風に、まるで不幸のような顔をしてるのかもしれな
い。
それを不幸だと決めつけ、落ち込んでるだけの人は、そのまま不幸になる。

『禍福はあざなえる縄のごとし』ということわざがある。
『この世の幸不幸は、寄り合わせた縄のように、常に入れ替わりながら変転する』
という意味の言葉だ。その縄を寄り合わせているのは、自分自身なのかもしれない。



10月20日(月)『日本シリーズ』

妻「星野監督、頑張って欲しいよね」
私「え? どうしたの急に……」
妻「星野監督が日本一になったら、泣いちゃうかも」
私「キミは阪神ファンじゃないし、そもそも野球ファンですらないじゃない?」
妻「でも、なんか応援したくなっちゃうんだよね」

日本シリーズを見ながら、妻がこんな風に言っていた。
星野監督は最近、日本中を味方に付けているような感じだ。

私「でも、王監督だって結構苦労してるんだよ。
今の原監督よりもひどい感じで巨人を追われて
で、ダイエーの監督になってもなかなか結果が出なくて
ファンからもメタクソに言われて……それでも辛抱強くチーム作りを続けて
ようやく強くなったかなと思ったら今年、球団の身売り騒ぎがあって……」
妻「うーん、じゃぁどっち応援したらいいんだろう?」

応援するもなにも、妻は野球のルールすら知らないはずなのだ。
日本シリーズ、なんだか知らないけどやけに盛り上がってる。

午前中はワールドシリーズがある。
松井が出ているので、私としてはむしろこっちの方が興味深いのだが
アメリカ1を決める対戦を、「ワールドシリーズ」と呼ぶのは
ちょっと生意気な気がする。せめて、日本シリーズの結果を待って
勝った方同士が対戦したら……
日本人選手が大リーグでこれだけ活躍できている今だったら
ダイエーでも阪神でも、結構良い勝負をしそうな気がする。

あと関係ないが、吉井、野茂、大家と大リーグで活躍してる選手の苗字を集めると
『吉野家』になる。あとは、『屋』のつく選手が出てきてくれると、松井と共に
『松屋』が揃い、日本を代表する牛丼軍団となるのだ。
ここはぜひ、屋鋪氏にカムバックしてもらいたい。



10月23日(木)『御曹司』

もう時効だと思うので書いてしまう話。

羽田にある某ゲームメーカーと仕事をしている時、
向こうの担当さんがちょっと困ったような顔でこう言った。

担当さん「ウチの方で最近、組織替えがありまして……
それで急に、T社(某大手おもちゃメーカ)の社長の御曹司が
我々の部署のトップになったんです。
そちらに影響は無いとは思いますけど、一応ご報告しておきます」

私「……なんだか、大変そうですね。でもどうしてまた、そんな人事が?」

担当さん「その辺の事情は、我々もよく知らないんですけど
トップの方で繋がりがあるらしくて……」

噂によるとこの御曹司、T社で大きな失敗をして
それで、この会社に回されたらしい。

私「つまり、タカラの持ち腐れってわけですね?」

ぴっきーん!!
空気が、凍り付いた。

……思いついたことを、そのまま喋ってはいけない。



10月24日(金)『窪塚』

窪塚洋介を見る度に、思い出すエピソードがある。

今から20年前。
日大の芸術学部(略称日芸)出身のTさんがこう言った。

Tさん「ウチの学校、結構スキンヘッドの奴ら、いるんだよねー」

当時はスキンヘッドなんて珍しかった。

私「へー。さすが日芸ですねー」

と感心していたら、それを聞いた駒沢大学のM君が

M君「そんなの、ウチの大学にもたくさんいますよ。
全然珍しくないですよ」

と、対抗するように言ってきた。

……えーっと、それは単なる、お坊さんでは?



10月28日(火)『ちくわマインド』

ちくわについて考えてみた。
例えば色。お店で売られているちくわは焼き色の付いた、いわゆるきつね色だが
これを唐辛子味の赤色とか、よもぎ味の緑とか、イカスミ味の黒とかにしたら
結構、カラフルで楽しいのではないだろうか?

ちくわの穴に何を詰めるかも考えどころだ。王道はチーズインちくわ。
私はこれが好きで、出張の帰りなどはつい買ってしまう。千歳空港→札幌間のJRで
文庫本を読みながらちくわをかじっている髭面の男がいたらまず私だと思って間違いない。

キュウリを詰めるのもよく見かける。その他、考えられる詰め物としては……
梅干しを練ったものを入れたり、肉味噌を入れたり、辛子明太なども合いそうだ。
カレーも入れてみたいし、案外たまごサラダもいけそうな気がする。

しかし、昨日コンビニで買った『粗挽きソーセージインちくわ』は、どうかと思った。
さっき食べてみたのだが、そのまんま『ソーセージ+ちくわ』の味しかしない。
やっぱりキュウリのように固いものとか、チーズのようにもっと柔らかいものとか
そんな風に食感の違うものと組み合わせてこそ、ちくわの実力を引き出せるように思える。

「なんか、ちくわって地味な食べ物だから、ここは一発、ソーセージでも入れて
ゴージャスに売り出そう!」

というような、発想の末に生み出された商品のような気がする。(想像だが……)
これではあまりにもちくわを愛する気持ち、つまり『ちくわマインド』が足りないと思う。

その点、紀文の『チーちく』はすごい。
ちくわのレーゾン・デートル(存在理由)である『穴』を守ったまま
その外周部分にチーズを入れることによって独自性を出している。

一般的なチーズインちくわを、おでんにいれた経験はあるだろうか? 私はある。
しかし、これをやってしまうとおでんが完成する頃にはチーズが外に出てしまい
単なるチーズアウトちくわになってしまうのだ。
で、外に出たチーズもなんとなくおでんの汁に溶けてしまい行方不明。
……あの時の悲しさは10年以上たった今でも忘れられない。

ひょっとしたら、『チーちく』の開発者も似たような経験があるのかも知れない。
おでんに入れてもチーズが溶けず、穴の部分はお客さんが自由にアレンジできるよう
ちゃんと残しておいてくれる工夫!
……ちくわマインドに溢れた、素晴らしい商品だと思う。

今、漠然と考えていることがある。
ちくわをストローに出来ないだろうか?
今よりもっと細く、長いちくわを作れば、それだけでストローとして使えるはずだ。
使い終わったらゴミになる通常のストローよりも、ずっと地球に優しい。

ただ問題がいくつかある。
このストローでジュースを飲む気がしない。
何を飲んでもちくわ味になってしまうからだ。
ちくわ味のコーヒー、ちくわ味のオレンジジュース、ちくわみるく、ちくわシェーキ……
想像しただけで、げんなりだ。

では、発想を変えてみよう。
今ある飲み物をちくわストローで飲むことを考えるのではなく
ちくわストローに合う新しい飲み物を作り出せばいいのだ。
例えば、おでんをジュースにしたらどうだろう?
味のしみた大根をミキサーで細かく砕いて、だし汁とまぜる。
これをちくわストローで吸えば業界初! 飲むおでんの完成だ。
彩りに昆布などを飾っても良い。

これをビシソワーズのように冷たくして飲む!
冬は今まで通りのあったかいおでん。
だけど来年の夏からは冷たく冷えたおでんドリンク!
……だれか商品化してはくれないだろうか?



10月30日(金)『北へ。』

ちょっと宣伝。
本日、私がシナリオを担当した『北へ。ダイヤモンドダスト』が発売されました。
これは北海道に実在する観光地を舞台にしたゲームです。

ゲームのジャンルは『トラベルコミュニケーション』となってます。
これは原作者の広井王子さんが命名したもので、ゲームを遊びながら
北海道を旅行した気分になれるというか、ゲームの中に北海道のガイドブックが
丸ごと入ってるというか……そんな感じの作品を目指しました。

いわゆるギャルゲーというか、恋愛シミュレーションの要素がメイン(?)なので
主に男性向けなのかもしれないですが、女性が遊んでも違和感なく遊べる……
かどうかは自分が女性じゃないのでわからないですが、少なくともそれを目指して
シナリオを書いてます。

1999年、セガのドリームキャストというハードで発売された
『北へ。ホワイトイルミネーション』の続編という扱いになってますが
キャラもお話も全く別なので、前作を遊んでいない人でも大丈夫です。

私は今回、全キャラのシナリオと、イメージソングの作詞を5曲担当しました。
(サントラCDも近いうちに出るはずです。)
この部分に関しては、前作よりも質的にも量的にも良くなってるはずです。

シナリオ作業が終了した時点で、プロジェクトから離れたため
最終的にどんな感じに仕上がってるかはわかりませんが
きっと良いゲームになってると思いますので興味のある方は是非!




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