カンクン旅行記・初日その2


やっと着いた!!
見合わせた妻の顔には疲労の色が濃い。きっと私も同じ顔をしているのであろう。
空港には思ったより人がいて「カンクン・チップス」「カンクン・ナイト」などの
パンフレットを配っていた。きょろきょろしていると現地ガイドのAさんが迎えて
くれる。その後Aさんの手配した車でホテルへ直行。

車の中、Aさんがいろいろな話をしてくれた。
カンクンは非常に治安が良く、夜中に歩いていてもトラブルはほとんどないと言うこと
路線バスが24時間走っていて 3ペソ(50円ぐらい?)払えばどこまでも乗れると
言うこと、米ドルさえ持っていれば買い物はほとんど問題がないと言うこと、公用語は
スペイン語だが英語さえ出来れば会話も大丈夫と言うこと・・・

30分ぐらいでホテル「マリオット・カサマグナ」に到着。豪華なエントランスに驚く。
Aさんはチェックインの手続きを流暢なスペイン語で済ませてくれて さすがにツアーは
楽なものだとひと安心。

部屋に付くとAさんはA4で20枚ぐらいの書類を手渡してくれる。目を通してみると
旅行中の注意点やお勧めのレストラン、オプショナルツアーの案内などがワープロで
びっしりと書かれていた。これは滞在中 非常に役に立った。書類の連絡先にメキシコ
観光と書いてあったので

私「Aさんって メキシコ観光の方だったんですね! 実は我々もパソコン通信で
  知り合った方に そちらにお勤めの方を 紹介してもらって 明日にでも
  会社に行ってみようかと思ってたんです。」
A「そうだったんですか? ええ、オフィスに来て下されば パンフレットとか
  お渡し出来ますので よろしければ ぜひいらしてください。」

なんという偶然だろうと驚いたが ひょっとしたらカンクンにツアーで行く
旅行者は ほぼ全員がメキシコ観光のお世話になっているのかもしれない。
Aさんはその後も地図を広げてショッピングプラザの位置やバス停の位置などを
丁寧に説明してくれた。

Aさんが帰った後 ホテルの近くをうろうろしてみる。ちょっと歩いたところに
『エスケイプ』というレストランがあったのでお茶でも飲もうかと中に入ってみる。
しかしメニューを見て考え込んでしまう。飲み物の値段にすべて『$20』と
書かれているのだ。とりあえず注文してから二人で相談が始まる。

私「オレンジジュースが20ドルもするわけないよね? きっとこれ20ペソって
  意味だよね?」
妻「でもペソならペソって書いてあるんじゃない?」
私「きっとそういう記号がないんだよ。とりあえず払ってみようよ。
  1ドルが7ペソとか言ってたから とりあえず二人分の6ドル出してみて
  足りないって言われたらその時払えばいいし・・」
妻「お金って どうやって払えばいいの?」
私「メキシコの習慣は よくわからないけど 10年前にアメリカで教わった
  払い方をためしてみようか?」
妻「どういうの?」
私「まずウェイターに『チェック・プリーズ』って言うんだ。そしたらビルが来る。」
妻「ビルって誰?」
私「人の名前じゃないって! 明細書みたいなやつ。それに書かれた値段を払うんだ。
  お釣りがある場合は また持ってきてくれるから・・」

実際 6ドルを払うとペソでお釣りが返ってきた。

私「やっぱ『$』はペソなんだね。」
妻「それじゃホントにドルの場合は どう書くの?」
私「うーん」

米ドルの場合は『USD$』などと表記されると言うことは ついさっきもらった
メキシコ観光の書類にしっかり書いてあったのだが この時点ではまだ読んでいなかった。
初日から前途多難な感じではある。
料金の10%をチップとしてテーブルに置き 店内にあった小さなスーパーのような
コーナーで缶ジュースやスナックなどを買ってホテルに戻る。

部屋に戻ると どっと疲れが押し寄せてくる。考えたら時差の関係で今日は一日が
38時間あったのだ。その間 睡眠をとったのは機内の2、3時間のみ。

妻「ほんと長い一日だったよね。」

確かに・・と思いながらも気を失ったように眠りに落ちる。
そして翌朝・・・

(続く・・)