カンクン旅行記・5日目


昨晩熟睡したせいか 今朝も気分がいい。今日はチチェン・イツァーの日。
ホテルのレストランで慌てて食事を取りバスに乗り込む。
ツアー参加者は20人ぐらい。やはり新婚旅行風のカップルが多かった。

ガイドはTさんという自称「元サイキック・アーキオロジスト」(超能力考古学者)。
マヤ学最大の謎と言われていた黒曜石の産地を発見し ホンジュラスの大統領から
表彰されたり 遺跡にあるお墓を超能力で発見し続け その記録はいまだ破られていない
・・・というものすごい経歴の持ち主だそうだ。

ただこの人は人をかつぐのも好きらしくバスに乗るといきなり

T「では これからトゥルムという遺跡に行った後 シェルハでシュノーケリングを
  楽しんでもらいます。水着の用意は大丈夫ですか?」

と言って我々を慌てさせたりしていたので 話半分で聞くことにする。
Tさんは なかなか楽しい人でバスの中でもいろいろなことを話してくれた。
中でも意外だったのはメキシコがトルコと並んで世界の二大親日国だということ。
我々ももっとメキシコについて知るべきだなと思った。

その他 日本女性はメキシコでもてるという話や ラテン民族の気質についての話や
考古学者時代の手柄話などを聞き 行きの二時間はあっと言う間に過ぎていった。

遺跡に到着後 まず見たのは「高僧の墳墓」。登ることは出来なかったが階段に付けられ
たククルカン(羽毛のヘビ)の像が立派だった。元考古学者だけあってTさんのガイドは
わかりやすく楽しかった。こういう説明ものはやはり日本語で聞きたい。日本人ガイド
同行のツアーを選んで良かったと実感。

その後「装飾のある館」を見学。ここは登って内部を見ることが出来た。
壁面には 名前の由来となったマヤ文字の装飾が施されており神秘的な雰囲気。
Tさんの話によるとマヤ文字は日本語と同じく表音表意文字で 「へん」や「つくり」
によって構成されているとのこと。

その後「カラコル」という天文台を見学。ここも登ることが出来た。
Tさんが言うには この遺跡が現代の天文台に近い形をしているのは復元ミスで
実際は円筒形だったそうだ。ここから「尼僧院」が見えたが現在は見学できないとのこと。

遺跡と遺跡は多少離れていて 炎天下 結構な距離を歩くことになる。
帽子を持ってこなかったり朝食を抜いてきた人は倒れる場合もあるそうだ。
そんな環境でも新婚旅行風のアベックたちは手をつなぎながら歩いているので感心して
しまう。日差しも強くサングラスを持ってきた方が良かったかもしれないと後悔。
水飲み&トイレ休憩の後 いよいよチチェン・イツァー最大の遺跡「ククルカンの
ピラミッド」へ・・

今回 私が旅行先にカンクンを選んだ最大の理由が この「ククルカンのピラミッド」を
見たかったためで 実際 視界が開けて 目の前にこの大ピラミッドが現れた時の気持ち
は今でもうまく言葉に出来ずにいる。感動したとか圧倒されたとか大きいとか美しいとか
・・知っている言葉を総動員しても うまく伝えられない気持ちのまま Tさんの説明を
半ばうわのそらで聞いていた。

その後 ピラミッドに登ってみる。かなり急な階段をやっとの思いで登りきる。
日頃の運動不足がたたっているようだ。しかし苦労した甲斐あって頂上から見下ろす
眺めは絶景だった。

眼下に戦士のピラミッドがありその向こうは見渡す限りのジャングル
が広がっている。戦士のピラミッドにも登って頂上にあるチャックモール像も見たかった
のだが今は見学できないとのことだった。このピラミッドはもう少し見ていたかったの
だが団体行動ということもあって後ろ髪引かれる思いで次の見学ポイントへ・・
こういう時は自由行動の人たちがうらやましくなる。

ここからちょっと歩いて「セノテ」という泉へ行く。ここはたくさんの生け贄が投げ込ま
れた場所なのだそうだ。ここでトイレ&水飲み休憩。

その後来た道を引き返して「鷲とジャガーの基檀」へ。壁面には人間の心臓をむさぼり
食っている鷲とジャガーが描かれている。
後ろを振り向くと「ツォンパントリ」という基檀。ここは別名「髑髏の棚」と呼ばれて
いてその名の通り壁一面に髑髏が彫られている。ガイドブックなどで目にしていたが
実際に目の当たりにするとやはり不気味な感じだ。

最後に見学したのは「ペロータの球技場」。重いゴムボールを投げてゴールに入れる
球技が行われていたそうだ。ここの中央で手をたたくと音が反響する。
またここには生け贄の首をはねている浮き彫りがあった。

約3時間ぐらいじっくり遺跡を見学した後はバスに乗ってレストランへ
ここもバイキング形式の食事。ステージがあって民族衣装を着た女性の歌と踊りが見れた。
ここに小さな売店があって我々はマヤのカレンダーとペンダントトップを買った。

帰りのバスは睡眠タイム。運転手と私以外 全員が熟睡していたようだった。

ホテルに戻ってから どっと疲れてしまう。外出するのがおっくうになってしまったため
ホテルのレストランで本日二度目のビッフェ。料理の内容も朝とは少し変わっていたが
それ以上に値段も跳ね上がっていたので少し不満だった。

やはり10時ぐらいに熟睡。明日はフリーだ。

(続く・・)