2003年10月の日記 | 11月の日記

○過去日記〜2003年12月


12月01日(月)『もぐら生活』

フリーになってから、3ヶ月が経った。
ただ、フリーと言う名前ほどには自由ではなく
実際11月もほぼ休まずに家でずっと働いていた。
……そう言えば昔『FREE』と言うジャンルのゲームが出たが
あれも名前ほど自由ではなかった気がする。

ただ、こうして仕事をもらえるのは、本当にありがたいことで
仕事自体もやっててすごく楽しいので、フリー1年目にしては
結構、順調なのではないかと思う。
(皆さんのおかげです。ありがとうございます。)

11月中のノルマは、昨日の夜までに全部終わらせたので
今日は映画を見ることにした。(映画の日なので安いのだ。)

家を出る時、妻が言った。
「これでやっと、モグラ生活から解放されるね」
『モグラ生活』と呼ばれるほど、引き籠もっていたつもりはないのだが……

見た映画は『フォーン・ブース』。
鳴っていた電話ボックスの受話器を、たまたま取ってしまった主人公が
相手から「電話を切ったら殺すぞ」と脅されて……というサスペンスものだ。

映画のほぼ最初から最後まで、ずっと電話ボックスの中だけで話が進む。
ハリウッド映画にありがちなビル爆破もカーチェイスも格闘シーンも無い。
でも作りがシンプルな分、電話のこっち側とあっち側とその周囲の状況が
しっかり際だっている感じがした。
年末の映画の中ではちょっと地味な感じで、お客さんもあんまりいなかったのだが
結構おすすめなので、まだ見てない方は是非。

映画の後は、こちらも久しぶりの買い物。
大丸の地下にある『北菓楼』の『ゆきぷりん』を買う。

かき混ぜて食べるタイプのプリンなのだが、乱暴に運んでしまったため
家に帰って箱を開けてみたら、食べる前からぐちゃぐちゃにかき混ざっていた。
これも妙にハマってしまうので、興味のある方は是非。




12月03日(水)『さけっぴ』

札幌駅南口の向かいに、佐藤水産の本店が出来た。
石狩にあるサーモンファクトリーの会社と書いた方が通じやすいかもしれない。

ここはとにかく鮭関係が充実している。
生冷凍鮭や新巻鮭、いくらなどはもちろん、サーモンウィンナーやサーモンハム
サーモンステーキに鮭ザンギなど鮭を中心とした海産物がずらりと並んでいるのだ。
こういうのは本州の人へのおみやげにも喜ばれるし、地元の我々も見てて楽しい。

とりあえず今回は、『さけっぴ』というのを買ってみた。鮭の皮を油で揚げたおつまみだ。
なるほど。だから『鮭っ皮』という名前なのか……などと感心しながら食べてみたところ……

げっ! すごい味だ。
グラニュー糖とシナモンで味付けがしてあるため、最初はお菓子のように甘い。
で、その後に鮭の皮のしょっぱい味が、じわじわーっとこみ上げてくる。
……甘じょっぱい!! これは断じて、誉め言葉ではない!!

確かに我々はこれを買う時、シナモン味というのを確認して買った。
しかし、こういうきちんとしたお店で、しかも『鮭のプロ』とも言うべき佐藤水産で
こんな妖しい食べ物が、白昼堂々と売られているなんて思ってもみなかったのだ。
……甘かったのは、さけっぴよりも、むしろ我々自身だったようだ。

はっ! 今気が付いた。
佐藤水産という名前は、実は『砂糖+水産』という裏の意味があって
このような砂糖まみれの水産品を売るために作られた会社なのでは!?

チョコでコーティングされたスルメとか、甘納豆の塩辛とか、明太羊羹とか
ゼリービーンズ茶漬けとか塩ウニのブラマンジェとか……
そういう、甘じょっぱい新製品を次々と作り続け、日本人の味覚に新しい価値観を
植え付けようとしている謎の地下組織なのでは!?

……と、邪推してしまうくらい我々の口に合わなかった。
これがパンの耳を揚げたものなら、シナモン・シュガーと良く合うだろう。
これが、ガーリックパウダーだったら、鮭の皮と良く合うだろう。

しかし、シナモン・シュガーと鮭の皮は合わない!
断じて合わ……な……あれ?

今、ちょっと時間を空けて食べてみたのだが
そんなに悪くないような気もしてきた。

でも、そんなはずは……あれ? つい、また食べてしまう。
ひょっとして、佐藤水産の『味覚革命・人類甘じょっぱ計画』に
……まんまと、はまってしまったのでは?

※注意※
『さけっぴ』のシナモン味は新製品なのだそうです。
普通の(?)味もちゃんとあるとのことでした。





12月05日(金)『ノイズ』

最近、スーパーマーケットがうるさい。
もともと歌謡曲を安っぽくアレンジしたようなインスト曲が流れてはいたが
これに加えてさらに、キノコ売り場に行けばキノコの歌が、
果物売り場に行けばパイナップルの歌が、鮮魚売り場に行けば魚の歌が流れ始め
さらに癇に触るラップの缶コーヒーCMや嘘くさい効果のシャンプーのCM曲などが
エンドレスで再生され続けている。

きっと、こういう歌を流すことで売り上げ的に効果があるから、今のような状況に
なったのだと思うし、わたしも最初『おさかな天国』を聞いた時は
その『自動車ショー歌』のような凝った歌詞に、つい聞き入ってしまったので
あまり文句も言えない。……しかし、いくらなんでもうるさすぎる。

歌だけではない。「いらっしゃいませ! いらっしゃいませ! 」という呼び込みは
常時消えないし、入り口近くでは、モデム配りの元気な声。そうこうしているうちに
赤ん坊は泣き叫ぶし女子高生はきゃぁきゃぁ狂ったような声で笑ってるし、
すぐ後ろで携帯が鳴ったと思ったら、それが趣味の悪い『着うた』だったり……
と、いろんな音が全部、うわわわーーんと混ざるのだ。

みんな気にならないのだろうか?
こんなにうるさい店ばかりになってしまったのであれば、
むしろ実験的に、無音のスーパーマーケットを作ってみたらどうだろう?
今だったら意外と人気が出るのではないだろうか?

昔、誰かが言っていた。
『目は背けることも出来るし、つむることも出来る。
でも音楽は、聞かないように努力してもどうしても聞こえて来てしまう。』

その通りだと思う。
だからこそ、ちゃんと『音の環境』を整えて欲しいのだ。

文章を書く仕事をしていて、私なりに掴んでいるコツがある。
頭の中で言葉を『鳴らす』のだ。考えるべき問題点を頭の中で回したり、裏返したり
ぶつけたりしていると、そのうちパンと弾けて言葉が音楽のように鳴り出す。
それをきちんと正確に書き留めれば、だいたいの下書きが完成しているのだ。

ただこの時、周囲の音が静かでないと非常にやりづらい。
頭の中の言葉が、聞き取りにくくなってしまうのだ。

最近は周りの景観に合わせて、コンビニの派手な看板が差し替えられたりして
見た目の環境は、ずいぶん考えられるようになってきた。
でも相変わらず選挙カーは騒音をまき散らし、隣り合った電気店では
大音量で店のテーマ音楽を流し合い、呼び込み合戦を続けている。
滝上公園の芝桜を見た時は、その美しさに感動したが
でも常時、演歌のBGMが流れていてげんなりだった。

音というのは強制なのだから、それを流す人はきちんと周囲に気を配って欲しい。
無音があってこその音なのだから、常時垂れ流しにしないでONとOFFをしっかりと
切り替えて欲しい。そうすることが音楽を作ってる人に対しての礼儀にもなると思う。
で、音楽が終わった後は、外からの刺激を極力無くして、自分の頭の中の言葉と
もっとちゃんと向き合うべきだと思うのだ。

もちろん、ノリの良いBGMで効率を上げる……という効果を否定してるわけではない。
でも今みたいに、『音が鳴ってる方が普通』という状態は、ちょっと変だと思うのだ。



12月06日(土)『ズラ・ハンター』

妻には隠れた才能がある。
それは、『ズラ・ハンター』としての才能だ。

ズラ・ハンターとはテレビを見ながら、そこに映っている人々の
カツラ着用を素早く見抜き、指摘するという恐ろしい能力なのだ。

妻「あっ! あの人、カツラ!」
私「え? どうして?」
妻「生え際が不自然! ……あっ! あの人も!」
私「何で分かるの?」
妻「肌が年取ってる割には、髪の毛に変な艶がある」
私「じゃあ、この人は?」
妻「カツラ。額と髪の毛の間の、ありえない場所から汗が流れ落ちてる」
私「なるほどねぇ……」
妻「それとあの人! 後頭部に段差があって、上と下で髪質が違う!」

さすがデザイナーだけあって、細かいところまで見てるのだなぁと感心する。
しかし、この能力が活かされたことはこれまでに一度もないし
恐らくこれからも何の役にも立たないのだろうと思う。

先日、テレビを見ていたら、さ○まさしの髪がフサフサになっていたので
妻に聞いてみた。

私「あっ! 見て! さ○まさし! 急に髪が増えてるよ!
 育毛? 増毛? それともカツラ? いつから増えたの?」

しかし妻は、ちょっと怒った感じでこう言った。

妻「さっきまで、マハトマ・ガンジーのドキュメンタリーを見て感動の涙を流してたのに
 何でそんな、ヅラとかハゲとか、そんな話題を持ち出すの?
 せっかく高尚な気分に浸ってたのに、その落差は何?」

……いや、その言葉はむしろ普段のキミにそっくり返してやりたい。



12月08日(月)『尾籠な話』

今回はちょっと尾籠な話を……

と、この一行を書いた後、気付いたのだが
『尾籠(びろう)』って死語じゃないだろうか?

辞書を引くと『きたなく、けがらわしくて、人前で失礼に当たること』とある。
失礼かどうかは分からないがトイレの話だ。

トイレに関して、いっつも気になってしまう点が二つある。
ひとつは、小便器の上に時々落ちている怪しい毛だ。

男子用の小便器の上の部分……つまり、立って用を足す時に
すぐ目の前にある場所は、たいてい平らになっている。
そこに時々、誰かの毛と思われるものが落ちていることがあるのだ。
これが髪の毛なら、用を足した時に落ちたのだろうと想像が付く。
しかし、この怪しい毛はどうだろう? どうやってそこに落ちたというのだ?

位置的にはより低いところにあるはずのそれを、小便器の上にまで
移動させるためには、誰かが何らかの意図をもって抜いて
(あるいは既に抜けた物を)、手で運ばない限り不可能だと思うのだ。

でも誰が、何のために?

この毛は結構な頻度で見つかる。
このため、意識的なのか無意識なのかは知らないが
これをやる人は結構多いことが容易に想像付く。

他人の怪しい毛を眺めながら用を足すのは、私にとってはかなり不快なのだが
みんな何とも思わないのだろうか?

それともう一つ。
見てて『うげーーーっ』と思ってしまうのが、小便器に唾を吐く人。

痰のようにぷっと途切れる唾ならまだ許せる。
しかし、時々だらーーっと糸を引くような唾を吐いている人がいる。

想像してみて欲しい。
その瞬間、便器とその人の口は、唾によって繋がっているのだ。

その唾の糸がぷちんと切れて、次の瞬間……
その切れ端が口の中に逆流することだって充分に考えられる。
うぉーーー! 考えただけで嫌な気分になる。

そんなリスクを冒してまで、なぜ人は便器に唾を吐くのだろうか?

トイレと言えば、先日読んだ新聞にこんな記事があった。
ニューヨーク市議会で、コンサートホールやスタジアムなど
人が集まる施設には、女性トイレを男性トイレの2倍設置するよう
義務づける条例『便所更正法(ほんとにそう書いてあった)』を検討中らしいのだ。

これは何となく分かる気がする。
男子用と女子用のトイレを同じ面積で設計してしまうと、その構造上
同時に用を足せる人数は男性の方がずっと多くなっている筈だ。
しかも、トイレに入ってから出てくるまでの時間も違う。

実際、ドライブインのトイレなどでも女性用だけが異様に混んでいる。
時々「おばさんだからいいわよね?」と意味不明の同意を求めながら
堂々と男子トイレに入ってくる女性もいるくらいだ。

ニューヨーク議会での主張は『女性トイレの前にだけ長蛇の列が出来る現状は
社会の性差別が、屈辱的で露骨な形で現れたものである』ということらしい。

それが性差別なのかどうかに関しては、私にはちょっとピンと来ないが
効率という意味では、この『便所更正法』に賛成だ。



12月09日(火)『讃岐うどん』

昨日書いた『尾籠な話』が、妻に不評だったため
早めに新しい日記に書き換えることにする。

最近、札幌にも讃岐うどん屋さんが増えてきた。

比較的昔からあるのは、大通西18丁目の『おか田』。
ここで初めて、ゆで卵の天ぷらを食べた時は感動した。
それと同じくらい有名なのが、菊水元町6条3丁目にある『かがわ軒』。
ここは比較的家から近いので、何度か通った。

チェーン店では、『はなまるうどん』『さぬき小町うどん』
どんどん店舗を増やしている。

いずれもセルフ方式の讃岐うどん屋なので、選んでて楽しい。
ただ、つい調子に乗って頼みすぎてしまうのが難点だ。

私はラーメンも好きだが、札幌のラーメンは油がきつくて味の濃い物が多い。
そのため体調によってはちょっとつらく感じることがあるのだ。
そんな時、讃岐うどんはすごく良いと思う。

15年前、私が初めて札幌に来た時、街には一軒の牛丼屋もなかった。
「何で無いの?」と私が聞くと、皆一様に「スキー場でよく食べるけど、まずくて」とか
「北海道じゃ、普及しないべさ」とか「前にあったけど、つぶれたよ」などと言われた。
仕方がないので東京に出張するたびに吉野家に行き『並+卵付き』を頼んだものだ。
しかし今では、全道で20店舗以上ある。

これと同じように、讃岐うどん屋も今後、この調子でどんどん店舗を
増やしてゆくのではないだろうか。

今のところ、はなまるうどんが札幌8軒+旭川1軒。
さぬき小町うどんが、札幌6軒ある。
牛丼屋のように「あって当たり前」になるのは、もうすぐだ。

ただ、うどん屋に行くたびに感じることがある。

冷たいうどんは、麺にコシがあっておいしい。
温かいうどんは、つゆにだしがきいていておいしい。
しかし、その両方を味わえることは滅多にない。
温かいうどんは、急いで食べないと麺のコシが無くなってしまうのだ。
私は密かにこれを『讃岐うどんの二律背反』と呼んで悩んでいた(大袈裟)。

しかし、この大問題をいとも簡単に解決しているお店があった。
それが、東区北32条にある『手打ちうどん 寺屋』だ。

ここのお店はセルフではない。
しかし、うどんの麺が全然違うタイプなのだ。
説明が難しいが、なんかこう、『もにっ』としている。
それは、温かいうどんでも冷たいうどんでも変わらない。

好みの問題なので何とも言えないが、実はうどんの『コシ』というのは
こっちが本物で、いままで感じていたのは、『ただ単に固いだけ』
だったのでは? とすら思えてくる。

ということで、近くに住んでるうどん好きの方は是非。


『手打ちうどん 寺屋』
 札幌市東区北32条東18丁目1番11号
 TEL 011−784−8388

 月 〜 金 午前11時〜午後2時・午後6時〜午後9時
 土・日・祝 午前11時〜午後7時
 定 休 日 毎週水曜日




12月11日(木)『おやすみ乳飲料』

スーパーで謎の飲み物を見つけた。『おやすみ乳飲料nemu[ネムー]』だ。
説明を読むとこう書いてある。

今までにない新タイプの『おやすみ乳飲料』の登場。
大塚製薬が日本で初めて導入した、フィンランド”ナイトミルク”製造技術に基づいて
夜間にしぼった生乳をたっぷり。お疲れ様のミルクドリンク。

……なんか意味が分からない。
夜間に絞った”ナイトミルク”が、具体的にどうだというのだ?
とりあえず飲んでみる。普通の牛乳だ。

大塚製薬のサイトを見ると、専用ページがあった。
ここに『おやすみ乳飲料って?』という項目があったのでクリックしてみる。
すると……

−ストレス知らずの牛のおちち[ネムー]といっしょ−
生活リズムが整った牛のおちち、それが[ネムー]。
そんなおちちをのんで、リラックスタイムを過ごしたい。
おちちをくれた牛の気持ちがチョット伝わるから
なんとなく癒されるかも。

……『おやすみ』に付いての説明はどうしたのだ?
夜間にしぼった生乳には、どんな効果があるのだ?
『リラックスタイム』とか『癒されるかも』などの曖昧な言葉ばかりで
結局、なにがどうだか、まるで書いてないのだ。
その後も意味不明の文章は続く。

ただいま[ネムー]
今日の電車も混みましたね。
「ただいま」の後のミルクタイム
あ、ワタシだけの時間・・みたいな
柔らかいミルクのベールに包まれて

『柔らかいミルクのベール』って、いったい何だ?
みんな、そんなのに包まれたいのだろうか?

食後に[ネムー]
食後はコーヒーがお洒落?
いいえ、お腹いっぱいカラダ満足
次はミルクリッチで
ココロ、リラックス

そもそもコーヒーってお洒落だったのだろうか?
『ミルクリッチでココロ、リラックス』も意味不明だ。

だいたい『おやすみ乳飲料』と謳ってるのに『ただいま』とか
『食後』とか、なぜそんな関係ないシチュエーションについて語るのだ?
そう思って読み進めると、ようやく次に書いてあった。

[ネムー]&ベッド
ホットがおすすめ、おやすみネムー
ぽっかり気持ちが落ち着くネ

なんか読んでて腹が立ってくるのは私がカルシウム不足だからだろうか?
さっき、[ネムー]を飲んだはずなのに、やたらイライラしてくる。
なぜ、この2行で説明を終わらせるのだ?
しかも、『ホットがおすすめ』は、直接おやすみとは関係ない。
結局、ここでも何も説明していないのだ。

公式ページでは埒が明かないので、別のページを検索してみた。
すると、こんな記事を見つけた。

・寝つきが良くなる? 牛の“夜乳”使った乳飲料が9月発売
・大塚製薬、メラトニン豊富な乳飲料「ネムー」の販売を急遽延期
・大塚製薬が発売急きょ延期から2カ月、「nemu(ネムー)」を11月11日発売

ようやく謎が解けた!
これら複数の記事を要約すると、牛の夜乳にはメラトニンというホルモンが
通常の2〜4倍含まれていて、これによって寝付きが良くなる効果が
期待出来るのだそうだ。しかし、この表記が薬事法に違反するおそれがあるため
急遽、発売を9月から11月に延期し、メラトニンという表記自体をまるごと
カットして発売したらしい。

なるほど。
公式ページの文章を読んで感じた違和感は、これだったのか!
説明をしたくても出来ない内容を、イメージでごまかしていたのだ。

……ただ、ちょっと待って欲しい。
人は、他人から与えられた情報は疑ってかかる傾向がある。
しかし、自分で取りに行って得た情報は、無条件で信じ込むことが多い。

これが最初から、『ナイトミルクを飲むと寝付きが良くなる!』と宣伝されていたら
夜にしぼっただけで、そんなに違うものか? とか、牛のホルモンが人に効くのか?
とか、いろいろ疑問を抱いたはずだ。

ひょっとしたら大塚製薬は、わざと曖昧で気になる文章を出してユーザーに調べさせ
その結果出てきた『メラトニン』というパズルの最後の1ピースを、
あえて隠すことによって強調したのではないだろうか?
だとしたら、こうして紹介している私は大塚製薬の術中に見事に嵌ってしまったことになる。

まぁ、とりあえず『おやすみ乳飲料』と言う言葉を無視して、朝飲んだ私は
別段眠くもならずにその日一日を過ごしたので、その効果は未確認だ。

ちなみに、この逆で眠らないための飲み物もある。高カフェイン炭酸飲料『BAWLS』だ。
プログラマとか、徹夜しなくちゃいけない人には良いかも知れない。
私は飲んだことがないので効果はわからないが、通信販売もやってるし
札幌ならパソコンショップMKさんで売ってるので、興味のある方は試してみると良い。

個人的に興味深いのは、おやすみ乳飲料と同時に飲んだ時
果たしてどっちが勝つのだろうか? ということだったりする。



12月15日(月)『旭山動物園』

以前、旭山動物園に行った時、その充実ぶりに感動して紹介ページまで作ってしまったのだが
やはりここは特別な動物園らしい。昨日テレメンタリー2003という番組で見たのだが
全国の動物園が入場者の減少に悩み、閉園が相次いでいる中、ここは集客数を何倍にも
伸ばしている数少ない動物園のうちのひとつなのだそうだ。
現在、日本中だけでなく海外の動物園からもスタッフが次々と見学に来ているらしい。

そんな旭山動物園も、一時は閉園の危機があったらしい。
1994年、動物がエキノコックス症発生のため閉鎖。これがセンセーショナルに報道され
開園後も入場者は激減してしまったのだそうだ。
でもそんな中、スタッフは毎日、理想の動物園とは何かを話し合い、それを14枚のスケッチに描いた。
「ライオンは屋根のない檻に入れたいよね」「ペンギンは歩いてる時と泳いでる時では全然違うよね」
「アザラシの泳いでるところをお客さんに見せたいよね」「動物にさわれる動物園が良いよね」
そんな風にして思い描いた理想の施設をひとつひとつ実現してゆき、今の旭山動物園になった。

パンダやコアラなどの珍しい動物を入れることが、動物園の成功パターンだと信じ込まれていた当時
『ありきたりの動物のすごいところを見せよう』というコンセプトを打ち出していたのはすごいと思う。
番組で紹介された旭山動物園の園長さんは「動物が幸せに暮らしてるのを見せたい」と語っていた。

……なんか色んなことを考えさせられる番組だった。

まず、失敗した時の対処方法。
自分たちに置き換えて考えてみるが、プロジェクトがうまくいかない時
原因を厳しく追及したり、誰かを責めたりする人が必ず出てくる。
それはそれで大切なことなのかも知れないが、でもそうじゃなくて
今起きている問題を、次の瞬間、どう対処してゆくかについて考えるのが先だと思う。
反省会なんて後でも出来る。でも、トラブルは対処しないとどんどん悪化してゆくのだ。
怒ったり、落ち込んでたりするヒマがあったら、対処法をひとり10個考えるべきだ。

あれが駄目だ、これが悪い、ここが大変だ……そんな風に言ってるんじゃなくて
今あるこれを活かして、こっちを変えたらもっと良くなるとか、
この人はむしろこっちに向いてるとか、以前失敗したこれを、今もう一度やろうとか
そんな風に考えられる人が、次に成功する人なんだと思う。

あれが問題だこれが問題だと騒いでるだけのヤツが、実は一番問題なのだ。

そして、成功するためのヒントのようなもの。
中くらいの成功を続けていると、どんどんそれに慣れてゆき、やがて先細りになる。
だから失敗はむしろ変革のチャンスだと受け止めることが大切だと思った。
……実際に自分がその失敗の渦中にいる時は、なかなかそんな考えにはなれないかも
知れないが、でも頑張ろうと思う。

まず理想の形を思い描き、それを実現するためにはどうしたらいいかを考え、行動してゆく。
それが、夢を叶えるために一番大切なことなんだなと思う。

夢を見ること、夢を持つことは良いことだ。
でも、見てるだけでは、持ってるだけでは……夢は永遠に夢のままなのだ。



12月16日(火)『アタック・オブ・ザ・キラー・納豆』

朝、仕事をしているとキッチンの方で妻の悲鳴が聞こえた。
しかし、キリが悪かったのと、それほど深刻でもなさそうだったので
そのまま仕事を続けた。

朝食は納豆スパゲティだった。
私がさっきの悲鳴について聞いてみると……

妻「……恐ろしいことが、おこったんだよ」
私「具体的にどんな?」
妻「納豆は、いつもの食材とは違う動きをするんだよ」
私「動き? 納豆は動かないでしょ?」
妻「納豆を入れると、スパゲティは『でろん』となるんだよ」
私「でろん?」
妻「それで、ありえないトングが、床に落ちるんだよ」

妻は状況を口で伝えるのがものすごく下手だ。
今回も全く理解出来ない。

私「つまり、納豆スパをお皿に盛りつける時
 トングを床に落としちゃったってこと?」
妻「盛りつけは大丈夫だったんだよ。
 でもその後、流し台に置く時に……」
私「で? 床が納豆まみれになっちゃったの?」
妻「いや、それには及ばないよ」

何となく状況は分かってきた。
でも『それには及ばない』という言葉は、
使い方を間違えていると思う。

妻「いつもと落下速度が違うんだよ。
 だからとんでもないことが起こるんだよ」
私「うんうん」
妻「嘘だと思ったらやってみると良いよ。
 フライパンで納豆に火を通しただけで
 恐ろしいことが起こるんだよ」
私「トングが落ちるだけでしょ?」
妻「違うんだよ。
 納豆は全ての物を巻き込んで、狂わせるんだよ。
 全部納豆のペースにさせられるんだよ」

なんか、昔見た映画『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』を
彷彿させるような台詞だ。
状況はつかめないが、とにかく恐ろしいことが起こったらしい。

……出会ってからもう15年ぐらい経つが
未だにこの人には謎が多い。



12月19日(金)『Friend or Foe』

前回に続き納豆の話。

最近、気になって仕方なかった物を買ってしまった。
それがこの『なっとうの友』だ。

これは納豆をかき混ぜるためだけに作られた棒なのだ。
この棒の表面にあるイボイボが空気を取り込みながら混ぜ合わせるので
よりまろやかでコシのある糸を作り出すのだそうだ。

理屈はよく分かった。
しかしそれが便利に繋がるのだろうか?

納豆は洗い物が大変なのだ。
通常でも箸と茶碗は納豆まみれになる。
納豆をかき混ぜる器を別にした時は、それも洗う必要がある。

この『なっとうの友』を使った場合、これに加えてさらに洗い物が増えるのだ。
その手間以上に、納豆がかき混ぜやすくなっていなければ使う意味がない。

ごくり。

……緊張する。

ひょっとしたら私は、無駄な買い物(定価180円)を
してしまったのではないだろうか?

意を決してかき混ぜてみたが……あまりよく分からない。
かき混ぜ方が悪いのか? うーん。

これなら箸でも充分というか、むしろ箸にそのイボイボを付けてみては?
という気分にさせられる。

いや、ひょっとしたら別売りの『納豆小鉢セット』( 定価480円)と
併用して初めて、その実力を発揮するのではないか?

小鉢の内側の凹凸が、納豆を手早く簡単に混ぜ合わせると書いてある。
これと納豆スティックのイボイボの相乗効果で……

と、ここまで考えた後、ふと思った。
そんなにまでして納豆をかき混ぜる必要があるのだろうか?

この『なっとうの友』……別に、否定するわけではないが
何というか、あまりにも守備範囲が狭すぎる気がするのだ。

あと、最近CMでよく見る北海道限定朝専用缶コーヒー
いくら何でも限定しすぎのように思える。

それと、今ふと思い出したが
妻は納豆を食べる時、10回に6回ぐらいの割合でこう言う

「納豆って、一口目が一番おいしいよね」

なんか、ビールみたいな言い方だ。
……発酵繋がり?



12月22日(月)『睡眠時間』

私の場合、睡眠は6時間ぐらいとるのが丁度良いようだ。
夜はだいたい3時ぐらいに寝るのだが、フリーになってしばらくの間
目覚ましを付けなくても必ず朝9時に目が覚めた。
せっかくなのでそのまま、仕事が忙しくない時でも朝9時に起きるようにしていたら
いつの間にか身体に6時間睡眠が刻み込まれたようだ。
先日、サッカーの試合(ブラジルにボロ負けした世界ユース)を見ていたため
4時に寝たら、ちゃんと6時間後の朝10時に目が覚めていた。

ゲーム業界は、忙しい時はほんとに忙しいので、私も会社にいた頃は
徹夜したことも良くあったし、3時間睡眠が続いたこともあった。
ただそれだと身体が持たないし、実は仕事の効率も良くない気がする。
ちゃんと規則正しい生活をした方がずっと良いと思うのだ。

徹夜した次の日に12時間眠り続けるよりは、6時間ずつ寝た方が良い。
仕事によっては納期などの関係で徹夜が避けられない場合もあるのかも知れないが
それだって、そもそも徹夜しないと間に合わないような状況を作らないよう
普段から効率よく仕事をしていれば良いだけの話だ。
むしろ、そんなに差し迫った大事な仕事を、徹夜して寝ぼけた頭で作業してる方が
ずっと危険な気がするのだ。

あと、これは科学的な根拠は何もないので話半分にして頂きたいのだが
寝不足で不機嫌な人がパソコンを使うと、トラブルが起きやすいと思うのだ。
ハードディスクがクラッシュしたり、ディスプレイが映らなくなったり
OSが飛んだりするのは、忙しくて心に余裕のない人である場合が多い。
15年以上この業界で働いてきて、経験的に感じていることだ。
なんかきっと、そういう人は、機械を壊す電波みたいのを出してるんだと思う。

だからなるべく規則正しい生活と、充分な睡眠をとって
起きている18時間をいかに効率よく過ごすか?
まずそれを考えることが大事だと思うのだ。



12月24日(水)『おっきなYES』

中学の頃、国語の先生に作文を誉められた男の子は
やがて大人になって、シナリオの仕事をするようになった。

努力なんてしてない。
ただ、その先生にまた誉めてもらいたくて
難しい言葉を辞書で調べてみたり
図書館でいろんな本を読んでみたり
新しい作文を書くたんびに感想を聞きに行ったり
……そんなことしてるうちに、書くことが好きになった。

そして好きだから高校に入っても大学に行っても
誰のためでもなく、ずっと書き続けていた。

才能があるとかないとか
そういうのは、よくわからないけど

自分なら出来ると思う気持ちとか
やってて楽しいと思う気持ちとか
……それだけは、いつでも持ち続けている。


誰もみんな完璧じゃないから
その人の悪いところを指摘するのは簡単に出来る。

でも、あの時の国語の先生みたいに
誰かの一番良いところを見つけて
おっきなYESをあげられたら……

それはひょっとしたら
その人の人生を変えてしまうくらいの
素敵なプレゼントになるのかも知れない。


小学校の頃、美術の先生に絵を誉められた女の子は
やがてデザイナーになって、今、私の隣で絵を描いている。

ひょっとしたら才能っていうのは
生まれた時に決まっている能力なんかじゃなくて

そんな出会いとか、自信とか、熱中する気持ちとか
続けてきた時間とか、楽しさとか挫折とか決意とか……
そういうのをひっくるめたものなんじゃないかなと思う。


今度は、大人になった私たちが
誰かにおっきなYESをあげる番だ。

……メリークリスマス!



12月26日(金)『良いお年を……』

本日から帰省します。
更新も今年最後になるので、ちょっと早いですが2003年を振り返ってみます。

序盤は本当に忙しかったです。
2002年の10月中旬から、2003年の2月末までの4ヶ月半
数えたら4日しか休んでませんでした。

仕事を3本掛け持ちしていて、そのどれもがちょっとずつトラブルを抱えていたため
今思えば、だいぶ気持ち的に参っていたのだと思います。
夜遅く帰っても、それから明け方まで眠れず、それでも朝8時に起きて
会社に行かなければならなかったので、かなり辛かったです。

また、そうやって苦労して作ったゲームが、結果的にはどれもあまり売れなかったため
さらに参ってしまいました。もちろん売り上げが全てではないとは思いますが
ある程度売れないと次が出せないのも事実なわけで、その辺は素直に反省したいです。

仕事が一段落した6月は、2週間の休みを取ってイタリアに行きました。
この旅行記を書かないまま、ずるずると半年経ってしまったのですが
必ず! それもなるべく早いウチに書きます。約束です。

そして9月の頭から、独立してフリーになりました。
当初、東京で働こうと思っていたのですが、お仕事のお話を頂いたのが
どれも札幌の会社の方々だったため、もうしばらく……というか
あるいはずっと札幌にいるような気もします。

東京に帰りたいと思っていた理由のひとつとして、実家の父が夏と秋に2度入院して
出来れば近くにいてあげたいと思っていたのですが、最近になって
『検査の結果、実はそんなに深刻な状況ではなかった』というオチがついたため
慌てて引っ越す理由が無くなったというのもありますし……

フリーになってからは、おかげさまですごく順調です。
自分のペースで働けるようになったため、私の体調もすっかり回復しました。
あとは、今やってる仕事のひとつひとつが、なるべく良い結果になるように
頑張ってゆくだけです。

また、今までとは全く違ったジャンルの方々との出会いもあったので
なんとなく、2004年は仕事の幅が広がりそうな予感です。
この辺りは年明けに、2004年の抱負として書きますね。

では、良いお年を……


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